アフィリエイトの承認率とは?承認率を上げる3つのポイントを解説

本記事では、アフィリエイト広告に取り組む上で広告主にとってもアフィリエイターにとっても重要指標である「承認率」について詳しく見ていきます。

承認率が低いままではいつまで経ってもアフィリエイターに選ばれない可能性があるため、広告主は承認率の重要性を理解し、上げるために努力をする必要があります。

アフィリエイト広告がそもそも何?という方は先に下記の記事をご覧ください。

アフィリエイト広告とは何か?を初心者でも分かりやすく解説【図解あり】

アフィリエイトの承認率とは?

アフィリエイトの承認率とは、発生したアフィリエイト成果のうち承認(確定)した成果の割合のことです。どういうこと?と思った方もいるかもしれませんが、実はアフィリエイト広告はWebサイト上でコンバージョンが発生してもそれが全て成果になる訳ではありません。

発生したコンバージョンを成果と見なすか否か(=承認するか否か)は広告主が決める権利を持っているんです。

隔週単位や月単位で、広告主は「承認作業」と呼ばれる発生したコンバージョンを成果とするかジャッジする業務を行います。そして、承認となった成果分の報酬を広告主はアフィリエイターに支払います。

なぜ「承認という仕組み」があるのか?

それは、アフィリエイト広告の仕組みが破綻しないようにするためです。承認の仕組みがなければ、広告主は発生したコンバージョン全てに対して報酬を支払う必要が出てきます。

そうすると、下記2点の問題が発生します。

①不正な申込を防ぐことができない
②Webサイト上で完結しない商品の場合、アフィリエイト広告が成立しない

それぞれ詳しく見ていきましょう。

①不正な申込を防ぐことができない

発生したコンバージョン全てに対して報酬を支払う必要が出てくると、同じ人が何回アフィリエイト経由で購入したとしても成立してしまいます。

極端な話、1万回同じ人が購入をした場合、1万回分の報酬を同一人物に支払うことになるのです。しかも、1万回購入されて1万回返品されたとしても、報酬は支払う必要があります。なぜなら、コンバージョンの発生に対して報酬を支払うことになっているからです。

このように、重複注文や悪戯注文といった不正に対しての処置ができなくなります

②Webサイト上で完結しない商品の場合、アフィリエイト広告が成立しない

例えば、あなたがパーソナルジムを経営していて、ジムの入会単位でアフィリエイト報酬を支払いたいとします。パーソナルジムの場合、Webサイト上から個別面談に申込をしてもらって、その後面談で入会するかどうかを決めるという流れになるので、入会単位で成果としたいと考えるのは当然です。

しかし、承認の仕組みがなければ、Webサイト上のコンバージョンで成果とせざるを得ません。よって、「個別面談への申込」が成果の条件となるのです。

こうなると、個別面談への申込だけを行なって、参加をしないという事態が大量発生する可能性があります。参加をしなくてもアフィリエイターは報酬がもらえるからです。

これではシステムとして破綻してしまいますよね。

承認率が重要な理由

それは、承認率が低いとアフィリエイターに選ばれないからです。

そもそも、アフィリエイターがどのように自分のアフィリエイトサイトで紹介する商品を選んでいるかと言うと、得られる報酬の期待値が高いかどうかです。言葉を選ばずに言うと、儲かるかどうかで商品を選んでいます。

では、儲かるかどうかはどうやって決まるかを見ていきましょう。

ずばり、下記の係数の掛け算によって決まります。

「サイトCVR」×「承認率」×「報酬単価」

そして、この計算式で得られる結果を「報酬の期待値」と定義することにします。

「サイトCVR」×「承認率」×「報酬単価」=「報酬の期待値」

例えば、下記2つの案件が存在した時に、アフィリエイターに選ばれるのはどちらでしょうか?

この場合、アフィリエイターに選ばれる案件は「A」です。報酬の期待値が案件Aの方が高いからです。

案件BはサイトCVRも報酬単価も、案件Aより高いです。しかし、承認率が案件Aの半分しかないことから、得られる報酬の期待値が低くなってしまい、選ばれない案件になってしまっています。

このように、報酬単価やサイトCVRを上げることも重要ですが、同じくらい承認率を上げることも重要なのです。承認率が競合他社の案件よりも低すぎると、アフィリエイターに取り扱ってもらえないと理解しましょう。

承認率が低くなってしまう要因

ここまで、承認率の存在意義と重要性を説明してきました。では、承認率が低くなってしまうケースを見ていきましょう。

承認率が低いということは、成果が否認になる理由があるということです。否認になる理由は大きく2つに大別できます。

①否認条件を満たした場合
②承認条件を満たさなかった場合

ASPでは承認条件と否認条件が管理画面に明記されています。今回は化粧品案件と英語コーチング案件を例にとって具体的に見ていきましょう。

①否認条件を満たした場合

ASPの管理画面に記載している否認条件を満たしている場合は、当然ながら否認扱いとなります。

具体例からも読み取れる通り、一般的に下記のような内容を否認条件とすることが多いです。

  • 同一人物による重複の発生
  • 一度購入されたが、その後キャンセルが発生
  • 購入された商品が購入者に届かず返品された
  • 広告主が定めている規約に違反
  • リスティング広告で規約に違反

②承認条件を満たさなかった場合

否認条件の項目に記載がなかったとしても、承認条件を満たしていない成果は否認となります。

化粧品案件では、下記のような場合に否認となります。

  • 過去に同一商品を購入したことがある場合
  • WEB注文後、30日以内に商品の受け取りを行わなかった場合

英語コーチング案件では、下記のような場合に否認となります。

  • 過去に同一サービスを利用したことがある場合
  • 無料カウンセリングに申込を行ったが、欠席した場合

承認率を上げるための3つの施策

では、ここまでの内容を踏まえて広告主が承認率を上げるためにできる施策をご紹介します。

ASPの登録情報に否認条件を明記する

一部のアフィリエイターはあの手この手を使って条件をかいくぐろうとするので、ASPの管理画面の「否認条件」の項目は抜け漏れなく記載しましょう。

否認条件を明記していれば、「あなたは否認条件に当てはまっている」と否認にした理由を説明できます。また、否認条件に該当するようなことをアフィリエイターはやらなくなるため、不正な申込が減り、結果的に承認率の向上が見込めます。

特に上の例でも挙げたように、重複申込や悪戯、キャンセル・返品など明らかに広告主が承認すべきではない項目は記載しましょう。

不正が発生しているメディアを特定して提携解除する

否認条件を記載していても、不正を働くアフィリエイターは出てきます。例えば、同じ名前やメールアドレスで何度も申込を行ったり、申込をした人の名前が英数字の文字列といった具合です。

このように、明らかに不正な申込が起きていると感じた場合は、下記3つの手順を踏んでメディアの提携を解除しましょう。

①どのASPから不正申込が発生しているか確認する
②ASPの管理画面からどのメディアから不正申込が発生しているか確認する
③ASPの管理画面から提携解除、もしくはASPの担当者に解除してもらう

不正を働くアフィリエイターがいると、そのせいで全体の承認率が低下するため、提携解除をするだけで承認率が向上します。

成果地点のハードルを下げる

成果地点のハードルを下げることで、承認率を向上することができます。

例えば、先ほど英語コーチング案件の成果条件は「WEB申込後、30日以内に無料カウンセリング参加完了」でした。面談の参加率が50%だとすると、承認率も50%程度になります。

成果の条件を「面談参加」ではなく「面談申込」変えるとどうでしょうか。Webサイト上のコンバージョンがそのまま承認条件となるため、承認率はほぼ100%になります。ほぼと言ったのは不正申込などの例外が発生する可能性があるためです。

ただし、この施策は諸刃の剣でもあります。成果地点のハードルを下げると確かに承認率は上がります。一方で、アフィリエイターは面談に参加しなくても報酬がもらえるため、面談の参加率が下がる危険性があります。これではビジネスに悪影響が出てしまい、本末転倒です。

このように、承認率を100%にすることはリスクもあるため、数値を見ながら慎重に進める必要があります。

成果地点のハードルが低い例

  • 無料の会員登録
  • 資料ダウンロード
  • アプリインストール
  • 商品の初回購入

成果地点のハードルが高い例

  • パーソナルジムへの入会
  • 転職エージェントとの面談参加
  • アプリインストール後のアプリ内課金

内容のまとめ

  • アフィリエイトの承認率とは、発生したアフィリエイト成果のうち承認(確定)した成果の割合のこと
  • 広告主は隔週単位もしくは月単位で「承認作業」と呼ばれる発生したコンバージョンを承認するか否認するかをジャッジする業務を行う
  • 承認という仕組みがあるのは、アフィリエイト広告の仕組みが破綻しないようにするため
  • 承認率が重要な理由は、承認率が低いとアフィリエイターに選ばれないから。アフィリエイターは得られる報酬の期待値が高い案件を選んでいる
  • 承認率が下がる要因は2つで、「否認条件を満たしている」か「承認条件を満たしていない」ため
  • 承認率を上げるために成果地点のハードルを下げることは有効だが、同時にビジネスに悪影響を及ぼすリスクをはらんでいる