一発で通るセミナー企画書の作り方【無料サンプル付き】

セミナーを実施するにあたって、企画書が果たす役割は非常に大きいです。しかし、セミナーの企画書に何を記載すればいいのか分からない、という悩みを抱えている人も多いのではないでしょうか。

本記事では、セミナーの企画書を作ることになった担当者の方に向けて、セミナーの企画書を作る上で押さえておくべきポイントをお伝えします。

最後には、企画書のサンプルを掲載しているので、記事を読み終えた後すぐに実践に落とし込むことができる内容になっています。

セミナーの企画書を作成する意味

企画書の具体的な作り方に入る前に、まずはセミナーの企画書を作成する意味を理解しましょう。

上司に「セミナーの企画書を作っておいて」と言われても、なぜ企画書を作る必要があるのかが分かっていないと、「企画書なんて作らずに早くセミナーの開催準備に取り掛かりたい!」と思ってしまうかもしれません。

もし、そんなことは分かっているという方は、ここは読み飛ばして次の章へ移ってください!

セミナーの企画書を作成する意味は下記の3つです。

  • 社内の合意形成を取るため
  • 関係者の共通認識を作るため
  • 実施結果がマーケティング資産となるため

それぞれ詳しく見ていきましょう。

社内の合意形成を取るため

これは主に上長や、上長の上長に向けた役割になります。ほとんどの企業はピラミッド組織であり、経営者や役員、マーケティング責任者の決裁なしで施策を進めることができません。

マーケティングの目標や経営の目標を達成するか否かは、最終的にはマーケティング責任者や役員の責任となります。そのため、部下のリソースを間違ったところに使わないようコントロールしなければいけません。

「本当に今セミナーをやるべきなのか?」「セミナーの内容はこれで十分か?」といった点を確認するのです。

口頭のみで決裁を取るのはNGです。後から決裁を取ったことが証明として示せるように文書で残さなければいけないため、企画書が必要になります。

関係者の共通認識を作るため

2つ目は、セミナーのプロジェクトを一緒に進めていくメンバーに対しての役割になります。

セミナーを開催するとなると、会場の確保、登壇者調整、集客用のLP作成、広告の出稿、申込者の問い合わせ管理など、やるべきことは山ほどあります。一人で全てを進めるのは困難です。

よって、自分以外のチームメンバーにもセミナーの企画内容を理解してもらう必要があります。口頭で説明しようとする人もいますが、絶対におすすめしません。

口頭で説明すると、下記のような問題が発生します。

  • 一人一人に説明する膨大なコストが発生する
  • 人によって解釈に違いが出る恐れがある

文書で作成すれば、全員が同じ文面に目を通すため、認識の齟齬が発生しません。セミナーの企画書は、プロジェクトを円滑に進める上でも非常に重要になるのです。

実施結果がマーケティング資産となるため

3つ目は、マーケティングチームに対しての役割になります。

セミナーの実施内容と実施結果を文書にまとめておくことで、振り返りをすることができます。自分が別の役割に変わったり、新しいメンバーが入社してきても、企画書に目を通すことでいつどんなセミナーが実施されて、どのような結果だったかを一目で理解できます。

これにより、同じ仮説を立てずに済みます。これが非常に重要なポイントです。

もし企画書が残っていなければ、将来別のメンバーがマーケティングを担当する際に、自分たちと同じ仮説を立てて、同じようなセミナーを企画してしまう恐れがあります。

これは時間の無駄です。とても大きな損失となるので、企画書を作成してマーケティングチームの資産として必ず残すようにしましょう

以上がセミナーの企画書を作成するべき3つの理由です。

セミナー企画書は「概要」と「コンテンツ」パートに分ける

では、ここからはセミナーの企画書の具体的な作成方法を説明していきます。

結論、セミナーの企画書は「概要」と「コンテンツ」を説明する2つのパートに分けましょう。理由は、企画書に目を通す人は、「概要」だけを把握していればOKな人と、「コンテンツ」まで把握する必要がある人の2タイプ存在するからです。

概要だけを把握していればOKな人

経営者やマーケティング責任者などが該当します。経営者やマーケティング責任者はマーケティング戦略や企画の方針に合意できれば、具体的な手法はメンバーに一任するでしょう。

「自社のマーケティングがどこに向かっているのか」の確認をすることが目的であるため、具体的なコンテンツまで把握する必要がありません。(ただし、会社規模が小さい場合は責任者クラスがコンテンツ内容まで介入するケースもあります)

概要もコンテンツも把握する必要がある人

実際にセミナーの運営に携わるメンバーは概要よりもコンテンツを重視するでしょう。コンテンツの具体を詰めていくことが彼らの仕事になるからです。

このように、人によって必要とする情報が異なるため、情報を見やすくするために概要とコンテンツに分けるのがおすすめです。

概要パートを作成する

では、まずは概要パートを作成しましょう。概要が定まらなければコンテンツを決めることはできないため、必ず概要パートから作成してください。

概要パートでは主に下記の3点を記載します。

  • 目的
  • セミナーである必要性
  • 定量目標

それぞれを具体的に解説します。

目的

目的とは、「達成したいゴール」のことです。何のためにセミナーを開催するのか?が書かれている必要があります。

セミナーの目的は基本的には下記3種類にカテゴライズされます。例として、あなたの会社がBtoBのシステムを販売しているという仮定で、具体例も合わせて記載します。

新規リードの獲得

直接問い合わせを獲得することを目指してきたが、顕在層は刈り取ってしまった。まずは無料セミナーに集客をすることでリード獲得数を最大化する方向にシフトしたい。

この場合の目的は、「新規リード獲得数を増やす」になります。

見込み顧客のクロージング

見込み顧客の目標は達成しているが、受注率が低い。受注率を上げるためには、見込み顧客のサービス理解を深める必要がある。

この場合の目的は「見込み顧客の育成を行い、受注率を上げること」になります。

顧客ロイヤリティの向上

既に多くの顧客を抱えているが、解約率が想定していたよりも高い。解約率が高い要因が、提供しているシステムの機能を顧客が完全には使いこなせていないことにあった。そのため、もっと便利な使い方をハンズオンセミナーで伝えることで満足度を高めたいと考えている。

この場合の目的は「顧客のサービス満足度を高めて、解約率を下げること」になります。

セミナーである必要性

この項目で求められていることは、目的達成のための他の手段も抜け漏れなく検討されているか、ということです。特に、決裁権限を持っている経営者や責任者クラスは、今セミナーをやるべきなのか?を一番気にしています。

セミナーに使うリソースを別の施策に当てることで、より最短で目的を達成できるのではないか?という懸念を払拭しなければいけません。

例えば、受注率の向上を目的にセミナーを企画するとします。受注率の向上が目的であれば、他にも下記のような手段が思いつきます。

  • ステップメールを送る
  • 営業担当者が個別にフォローする
  • 使い方の詳細をまとめた資料を作成する

他の手段を検討した結果、セミナーに取り組む優先順位が高いことを記載しましょう。
「他に検討した手段」と「優先順位が低い理由」を記載すると分かりやすいです。

他に検討した手段優先順位を下げた理由
ステップメールを送るシステムの使い方をテキストだけで伝えることは難しい
営業担当者が個別にフォローする営業効率が悪い
使い方をまとめた資料を作成する資料を作っても読んでもらえない可能性が高い

定量目標

定量目標では、セミナーの具体的な目標数値を記載します。

  • セミナーの集客数100名
  • 受注率10%

コンテンツパートを作成する

概要パートが作成できたら、次にコンテンツパートを作成します。
コンテンツパートで記載すべき内容は下記です。

・タイトル
・ターゲット
・内容
・講師 / 登壇者
・開催日程
・会場
・参加料金
・予算
・開催までのTODO

それぞれを具体的に見ていきましょう!

タイトル

セミナーのタイトルを記載します。セミナーのLPを作った時のキャッチコピーを想定して記載しましょう。企画書段階では、まだ確定していない場合は(仮)と記載することで期待値を調整することができます。

ターゲット

誰に向けて開催するセミナーなのかを記載します。ここでは、想定される参加者の具体的な特徴まで記載しましょう。

具体的なターゲット像を共有することで、デザイナーがLPを作る際のトンマナを決めたり、カスタマーサポートが想定する問い合わせ内容を考えることができるなど、メリットが大きいです。

具体的に記載する項目

  • 性別
  • 年齢
  • 職業
  • 役職
  • 居住地
  • 家族構成
  • 抱えている課題・悩み

内容

セミナーの内容を簡単に記載します。

  • セミナーの形式は何か?(講演形式 or パネルディスカッション形式 or ワークショップ形式)
  • セミナーのテーマは何か?
  • 登壇者はどんな人か?

講師 / 登壇者

企画書段階では、まだ登壇打診は行えないため、登壇者の候補となる方の名前を数名羅列することをおすすめします。数名記載があれば、登壇者の傾向を十分把握することができます。

開催日程

開催を予定している日程を記載します。日時だけではなく、開催時間まで明記しましょう。開催日程を記載することで、企画段階で準備が現実的に間に合うかの確認もできます。

会場

会場の情報を記載します。住所まで漏れなく記入することがポイントです。また、会場の写真を数枚添付しましょう。セミナーの内容と会場の雰囲気がマッチするかも確認することが出来るからです。

最近ではオンライン開催も増えているため、オンライン開催の場合は「オンライン」と記載します。その際、オンライン開催をするにあたって使用するツールの名前を合わせて記載しましょう。

参加料金

セミナーの料金を記載します。無料の場合は「無料」と記載しましょう。

予算

セミナー開催に必要な予算を記載します。予算には、登壇者の出演料、機材レンタル費用、広告費などが含まれます。トータル金額を記載した後に、内訳を簡単に書いておくとより親切です。

開催までのTODO

企画がOKだった場合、当日までにやるべきことを箇条書きで記載します。各部署ごとでTODOが発生する場合は、部署ごとでカテゴリー分けして記載すると見やすいです。

【無料公開】セミナー企画書のサンプル

ここまでの内容を踏まえて、セミナー企画書のサンプルを掲載します。是非参考にしてみてください!

全部で2ページあるので、1ページ目を読み終えたら「次へ」ボタンを押してください。

セミナー企画書

いかがだったでしょうか。

ここで紹介してきた内容は基本形です。企画によって必要な情報は異なるため、必要に応じてどんどんカスタマイズしてみてください!

内容のまとめ

  • セミナーの企画書を作成する理由は、「社内の合意形成」「関係者の共通認識の構築」「マーケティング資産の構築」の3つ
  • セミナー企画書は「概要」パートと、「コンテンツ」パートの2つに分ける
  • 概要パートには、目的、セミナーである必要性、定量目標を記載する
  • コンテンツパートには、タイトルやターゲット、内容などセミナーの詳細情報を記載する