アフィリエイトが怪しい理由と詐欺に騙されないために知っておくべき3つのこと

「アフィリエイトはなんだか怪しい…」「実態が分からなくて胡散臭い」アフィリエイトに対してこのようなイメージをお持ちの方もいると思います。

私もマーケティングの仕事を始める前までは胡散臭そうだという先入観を持っていました。

アフィリエイトの仕組みをちゃんと理解すると、実際は企業の広告手法の一つでしかないのですが、アフィリエイトに便乗した詐欺が存在していたりと、あまりよろしくないイメージを持つ人がいることも事実だと思います。

本記事では、現役マーケターである私がアフィリエイトがなぜ怪しいと思われているのかを解説します。また、アフィリエイト詐欺に関する実態を取り上げた上で、詐欺に騙されないために知っておくべきことをお伝えします。

アフィリエイトが怪しいと思われる理由

では早速、アフィリエイトが怪しいと思われている理由について解説していきます。

現実離れした金額を稼いでいる人がいる

まず一つ目は、「月100万円」などなかなかイメージが付きづらい金額を稼いでいる人を見かけるからです。

彼らはTwitter上で月◯万円を達成しました!といったような形で、稼いだ金額を公開しています。月100万円単位で稼いでいるという発信をしている人も少なくありません。

しかも彼らの年齢は20代や30代といった若い世代だったりすることも多いため、ますます一般的な常識からは考えづらく、「何だかグレーな手口を使っているのでは?」と怪しさを感じてしまうのです。

月100万円だと年換算で1200万円です。サラリーマンで年収1200万円に到達できる職業は限られます。

アフィリエイトで稼ぐ金額は「年商」にあたるので、サラリーマンの年収とは単純比較できませんが、自身の年収と比べた時に現実感が持てないのは確かでしょう。

「楽して稼げる」という謳い文句が横行している

2つ目の理由は、「アフィリエイトは楽して稼げる」「労働しなくても稼げる」という謳い文句が横行しているからです。そんな旨い話はないに決まっていると怪しく感じてしまうのです。

確かに、一度サイトにユーザーを集めて商品が売れる仕組みを構築できれば、自分が働いていなくても(たとえ寝ていたとしても)収益が発生することがあるのは事実です。

また、自分が働いた分だけ報酬を得られる時間給ではなく、アクセス数に比例して収益も伸びていくため収益を指数関数的に伸ばせるという点で夢はあります。

しかし、この美味しい果実の部分だけを切り取って、楽して稼げる(= 労働しなくても稼げる)と一括りにするのは間違いです。稼げるメディアを構築するのは楽なものではなく、サイト立ち上げ初期などはむしろ膨大な労働力が必要です。

「楽して稼げる」と謳っている人たちは、自身が販売する情報商材を販売したいという思惑があるのです。当たり前ですが、楽して稼げるものなどないことを心得ておきましょう。

高額セミナー・高額教材が販売されている

3つ目は、「アフィリエイトの稼ぎ方を教える」「スマホで稼げる」といった売り文句で様々な高額セミナー・高額ネット教材が販売されているからです。数十万円の教材の購入を勧められると、誰しも疑いを持つのは当然のことだと思います。

「本当にこれは自分に必要なものなのか?」
「自分は騙されているのではないか?」

このような疑問が生まれるでしょう。

しかし、情報商材を販売する人もプロです。巧妙なセールストークによって高額商材の購入を勧めてきます。後ほど取り上げますが、情報商材に関連した詐欺の手口なども存在するため、ますます怪しさに拍車をかけてしまうのです。

本来アフィリエイトとは広告手法の一つであり、高額セミナーや高額教材とは関係がありません。高額商材を購入しなくてももっと気軽に始められるものです。

アフィリエイトは本当に怪しいのか?

ここまでの内容で不安が募った方もいるかもしれません。ここからはアフィリエイトは怪しいものなのか?を現役マーケターが解説していきます。

結論から言うと、アフィリエイトは全く怪しいものではありません。怪しくないと納得するためには、アフィリエイトの仕組みをちゃんと理解することが大事です。

それでは今から、アフィリエイトが怪しいものではない理由を説明していきます。

アフィリエイトはWeb広告の種類の一つ

まず全体感からお伝えするとアフィリエイトとはWeb広告の種類の一つです。広告はご存じの通り、企業が自社商品の認知を拡大するために使う宣伝手法です。テレビCMなんかも広告の一種ですね。

広告の中でも特にWeb上の広告に分類されるものがWeb広告であり、Web広告における種類の一つがアフィリエイト広告です。つまり、アフィリエイトは企業が商品認知を拡大するための一つの手段という訳です。

主要ASPの多くは上場企業が運営

ASPとはアフィリエイトサービスプロバイダーの頭文字を取った略称で、アフィリエイターと広告主を仲介するサービスのことです。言わばアフィリエイト広告ビジネスの中心にいる存在です。

基本的にアフィリエイトを実施する場合はこのASPに登録をする必要があります。

ASPには何十という種類がありますが、主要な(有名な)ASPに限るとその多くが上場企業によって運営されています。

A8.net・・・株式会社ファンコミュニケーションズ(東証一部上場企業)
バリューコマース・・・バリューコマース株式会社(東証一部上場企業)
afb・・・株式会社フォーイット(東証二部上場企業のグループ会社)
アクセストレード・・・株式会社インタースペース(東証マザーズ上場企業)
JANet・・・株式会社アドウェイズ(東証マザーズ上場企業)

上場するためには第三者の厳しい審査が入るため、グレーなビジネスをやっていればまず上場なんてできません。よって、上場しているという事実が社会的信用のあるビジネスをやっている企業であるという裏付けになります。

また、知らない人がいないAmazonや楽天、Appleなどの超有名企業も独自のアフィリエイトサービスを提供しています。

楽天アフィリエイト・・・楽天が運営するASP
Amazonアソシエイト・・・Amazonが運営するアフィリエイトプログラム
Apple Performance Partners・・・Appleが運営するアフィリエイトプログラム

このように、多くの上場企業・有名企業がアフィリエイト広告ビジネスに参入しているのです。

上場企業も普通にアフィリエイト広告を利用している

ASP運営企業だけでなく、アフィリエイト広告を活用している企業にも上場企業はたくさんあります。例えば、A8.netに登録している上場企業には下記のような企業があります。

・ヤフー
・健康コーポレーション(RIZAP運営)
・リクルート
・KDDI
・ベネッセ
※2022年1月時点

誰もが知る大企業ばかりではないでしょうか。こういった企業が自社の商品を認知してもらうためにアフィリエイト広告を活用しています。

アフィリエイトがもし怪しいものであるとしたら、こういった上場企業はそもそも広告を利用しようとはしません。「ここに広告を出しても大丈夫か?」というチェックが社内で入るはずなので、怪しいところには広告を出せない体制が整えられています。

つまり、アフィリエイト広告は企業にとって一つの効果的な宣伝手法だということです。

アフィリエイト広告の本質は企業の広告宣伝費

アフィリエイトがビジネスとして成立しているということは、お金の出し手がいるということです。出し手となるのは企業(広告主)です。企業は広告宣伝費としてアフィリエイト広告にお金を使っています。

つまり、アフィリエイト広告の本質は企業の広告宣伝費だということです。企業がお金を払ってもいいと思えるメディア(Webサイト)を作ることができれば個人でもお金を稼ぐことができます。

逆にそれができなければ、法人であったとしても収益を得ることはできません。

アフィリエイト詐欺の実態

アフィリエイトは怪しいものではないとどれだけ言ったとしても、アフィリエイトに関連する詐欺の被害は事実として起こっています。

アフィリエイトに関する詐欺はどのくらいの頻度で起こっていて、どういった内容なのかを見ていきましょう。

アフィリエイトの相談件数は増加傾向にある

日々、アフィリエイトに関連する相談が国民生活センターへと寄せられています。

過去3年間で寄せられた相談件数が下記です。

2018年2019年2020年
1,777件1,685件1,830件
出典:独立行政法人 国民生活セミナー

年間で2000件弱のアフィリエイトに関する相談が寄せられていることになります。2019年には一度減っていますが、2020年に再度増加していることから、全体的には増加傾向にあります。

アフィリエイト詐欺の内容を抜粋

具体的な相談内容をいくつか抜粋したものが下記になります。

アフィリエイト詐欺の具体例
  • 広告を見てアフィリエイトで稼ぐ情報商材を購入したが、説明された金額より高くなっていた
  • アフィリエイトの副業に登録したが、突然連絡が取れなくなった
  • アフィリエイトのコンサルティング契約を結んだが、コンサルティングは受けられずノウハウも教えてもらえなかった

傾向として「アフィリエイトで稼げる」ことを売り文句にして、情報商材やコンサルティングで稼ぐという手口が多いです。

このように、アフィリエイト広告という仕組みに問題があって詐欺が起きている訳ではないのです。

アフィリエイト詐欺に騙されないために知っておくべきこと

最後に、アフィリエイトに興味があって始めてみようかなという方が、事前に知っておくべきことをお伝えします。これを知っているだけでも詐欺に騙されることを事前に防ぐことができるでしょう。

初期費用は年間1万円前後あればOK

まず、アフィリエイトを開始するために必要な初期投資は年間1万円程度(月々に換算すれば千円前後)で大丈夫です。数十万円も払う必要はなく、情報商材を購入する必要もありません。

アフィリエイトを開始するためにはWebサイト(ブログ)を開設する必要があるため、この開設に以下2つが必要です。

必要な初期投資2つ
  • レンタルサーバー代
    → Webサイトを運営するのに必要なコストで、年間1万円程度
  • ドメイン代
    → Webサイトに独自の名前をつけるのに必要なコストで、安いものだと年間千円程度

※これに加えて、もしインターネット環境が整っていない場合は、Wi-Fi環境等を整えるためのコストが必要

この2つはアフィリエイトに限らず、Webサイトを運営したい方であれば誰もが必要なコストになるので、1万円前後は覚悟しておきましょう。

少しでもコストを抑えるのであれば、ドメイン代が無料になるレンタルサーバーと契約することをおすすめします。具体的には下記の記事で解説しているのでご覧ください。

【お得情報】独自ドメインを永久無料で取得する方法を教えます

無料でも良質な情報はたくさんある

アフィリエイト広告で稼ぎたいという気持ちは分かります。しかし、その気持ちが強すぎて高額な情報商材に飛び付いてはいけません。

何十万円というお金を払わなくても、アフィリエイト広告で稼ぐ方法を無料で発信している方はたくさんいます。初心者の方こそ、まずはそういった情報にアクセスをしましょう。

例えば、下記のようなメディア(ブログ)がおすすめです。

無料で「アフィリエイトで稼ぐ方法」が学べるコンテンツ
個人が提供する無料コンテンツ

企業が提供する無料コンテンツ

高額な情報商材に手を出すのはそれからでも遅くはありません。基本的な知識を身につけることで、自分に必要な知識・不要な知識を判別できるようになります

知識が身についてくれば情報の価値を見分けることができるようになるでしょう。

情報商材を買うなら「自分が求めている情報」を言語化しよう

無料の情報で勉強してみたけれど、「今のやり方を続けていて本当に稼げるようになるのか不安」と感じる人もいらっしゃるでしょう。

無料で手に入らない情報があるなら、有料の情報商材を購入するという手もあるでしょう。値段に見合った有料コンテンツもあるので、情報商材の選び方が大事になります。

人は不安に陥っている時こそ、手っ取り早く解決したいがために高額な商材に手を出してしまうものです。

情報商材を買う前に「自分が求めている情報」を言語化しましょう。今自分に必要な知識が何なのかを明確にするのです。そうすれば、情報の取捨選択ができるようになります。

例えば、「もっと効率的なキーワードの選定方法が知りたい」とします。

求めている情報が言語化できていれば、もし「ゼロからアフィリエイトで月50万円稼ぐノウハウ」というコンテンツが5万円で販売されていたとしても、割高に感じるでしょう。

あなたが知りたいのはキーワードの選定方法だけで、他の情報については既に満足しているからです。「効率的なキーワードの選定方法」というコンテンツが3000円で販売されていたら、そちらを購入するはずです。

このように、「何だか不安」という状態で思考停止するのではなくて、どの情報があれば不安を解決できるのかを言語化することで無駄なお金を使うことを避けることができます。

内容のまとめ

  • アフィリエイトが怪しいと思われる理由
    • 「月100万円」など普通に働いていたらイメージしづらい金額を稼いでいる人がいるから
    • 「アフィリエイトは楽して稼げる」といういかにも胡散臭い言葉が横行しているから
    • アフィリエイトに絡めた高額セミナー・高額情報商材が販売されているから
  • アフィリエイトが怪しくない理由
    • アフィリエイトはWeb広告の種類の一つであり、企業が自社商品の認知を拡大するための有効な手段
    • アフィリエイターと広告主(企業)を仲介するASPの主要な運営会社は多くが上場企業。楽天、Amazon、Appleのような超有名企業でさえ独自のアフィリエイトサービスを提供している
    • ASP運営企業だけでなく、アフィリエイト広告を活用しているたくさんの上場企業が存在する
    • アフィリエイト広告の本質は企業の広告宣伝費であり、情報商材とは本来一切関係のないもの
  • アフィリエイト詐欺の実態
    • アフィリエイトに関する相談は国民生活セミナーへと寄せられており、過去3年(2018~2020年)においては相談件数は増加傾向にある
    • アフィリエイト詐欺の具体的な内容としては、「アフィリエイトで稼げる」ことを売り文句にして、情報商材や高額なコンサルティング契約を結ばせるといった手口が多い
  • アフィリエイト詐欺に騙されないために知っておくべきこと
    • アフィリエイトを始めるための初期費用は年間1万円程度でOK
    • 無料でも良質な情報はたくさんあるので、初心者の人ほどまずは無料情報にアクセスする
    • 有料の情報商材を購入するのであれば、「自分が求めている情報」を言語化する