自社で新商品や新サービスを開発したり、アイデアを思いついたけれど、ニーズがあるのかまずは検証をしたいと考える人は多いでしょう。
今回の記事では、デジタル時代に最短かつほとんどコストをかけずにニーズの検証をする方法をご紹介します。
こんな方におすすめの内容です
・新規事業のニーズを最低限の工数で検証したい
・新商品を開発したので、いち早く顧客の反応見てみたい
・顧客リストを持っていないので、どうやって顧客の反応を見ればいいか悩んでいる
目次
ニーズの検証とは、商品が売れるかを確かめること
まず、ニーズの検証という言葉は、人によって何をすることなのか解釈が別れるので、認識を揃えたいと思います。ここで言うニーズの検証とは、開発した商品やサービスを顧客が実際に購入してくれるかを確かめることを指します。
ユーザーインタビューや、アンケート調査等では一定の傾向は取れると思いますが、「買いたいと思う」と「実際に買う」の間には大きな壁が存在します。「こんな商品があれば買いたいと思いますか?」というアンケートを取って、YESが多いので商品を販売してみたが、全然買ってくれなかったなんてことは普通に起こります。
よって、ニーズを検証するためには、商品を売ってみて買ってくれるかどうかを確かめるのが一番手っ取り早く、確実性が高いです。
広告を使って顕在層をLPへ流入させる
ニーズの検証の共通認識を持てたところで、次は誰に売っていくかを整理します。
商品には必ずターゲットがいます。誰のどんな課題を解決したいのか分からないのに、商品を作ることはないでしょう。趣味ではない限り、必ず顧客の課題にフォーカスして商品を作っているはずです。
従って、テストマーケティングにおいては、最も商品を買ってくれそうなターゲットに売ります。マーケティング的に言うと、顕在層です。顕在層に売れなければ、他のどんな属性の人に売っても、まず売れることはないでしょう。
顕在層を商品のLPに呼び込んで、購入に至るかを見れば検証完了です。
LP上で購入が完結しない場合は、問い合わせや会員登録に至るかを見た上で、問い合わせや会員登録後の成約率(=課金率)までウォッチしていく必要があります。
LPに顕在層を集める方法として、今回は広告を使います。広告を使う理由はシンプルに再現性が高いからです。
広告は、ターゲティングができる上に、1時間もあれば配信設定ができてLPにアクセスを集めることができます。そして、誰でも今すぐ始めることができます。
SNSやブログで告知するなど、お金を使わずにアクセスを集める手段もありますが、現時点でフォロワーを抱えていない場合は、フォロワーを獲得するまでに最低でも数ヶ月程度は時間がかかってしまいます。
また、フォロワー告知が成立するのは、SNSやブログの発信内容と商材の親和性が高い場合のみです。そうでない場合は、「最も商品を買ってくれそうな人に売る」という必要条件を満たせないため、検証になりません。
顧客のニーズは検索行動に表れる
広告を出してアクセスを集めると話しましたが、使用する媒体はGoogleのリスティング広告(検索広告とも呼ばれる)です。
人は何か悩みや疑問を解消しようとする時、「検索」という行動を取ります。
もしあなたが、ダイエットのためにパーソナルジムの比較検討をしていたら、「パーソナルジム おすすめ」と検索するのではないでしょうか?
Googleの検索結果は、顧客のニーズそのものと言えます。検索エンジンにはニーズが顕在化しているんです。
最近では、Twitter検索やInstagram検索をする人も増えていますが、情報を収集する媒体としてGoogle検索は依然として大きな影響力を持っています。
商品を購入してくれそうな顧客が検索しそうなキーワードでリスティング広告を出稿しましょう。
リスティング広告のキーワードの選び方
どのキーワードに広告を出稿するかは最も重要なポイントと言ってもいいでしょう。
検索キーワードによって、顧客のタイプが異なります。
今回は、顧客のタイプを「顕在層」「準顕在層」「潜在層」の3タイプに分けて説明します。それぞれのタイプの特徴は下記です。
顕在層 ・・・具体的なサービス名を認知しており、購入を検討している
準顕在層・・・カテゴリー名は認知しているが、具体的なサービス名は認知していない
潜在層 ・・・課題は顕在化しているが、カテゴリー名も具体的なサービス名も認知していない
どんなキーワードで検索している人が、この3タイプに振り分けられるのかを、パーソナルジム事業を例にとって見てみましょう。
新規事業の場合は、サービスが認知されていないのでサービス名で検索する人はいません。よって上記の図の顕在層にカテゴライズされたユーザーにはアプローチできないため、カテゴリー名を認知している準顕在層に対して広告を出稿します。
カテゴリー名や、カテゴリー名に関連するキーワードに対して広告を出稿することで、最も商品を買ってくれそうな人にアプローチができます。今回の例で言えば、「パーソナルジム」や「パーソナルトレーニング」などです。関連キーワードを探す方法として、予測変換や関連キーワードから選定するのも効果的です。
調べていくとキーワードはたくさん見つかりますが、最初はかけられるお金も限られているので、ターゲットが最も検索していそうな3~5個程度の入稿に留めましょう。配信を開始して広告費の消化スピードが悪ければ、キーワードを追加していけばOKです。
目標獲得単価は意識するが、売れるかどうかが重要
キーワード選定もできたら、後は広告文を作成して運用開始です。
運用では、目標獲得単価(以下目標CPA)以内で獲得できるかはもちろん見ますが、検証フェーズではコンバージョン(= 商品の購入や問い合わせ)(以下CV)に至るかどうかの方が重要です。CVが出るということは、少なからずその商品を求めている人が存在するという事実を証明しています。
多少目標CPAを超えていたとしても、商品やプロモーションの改善でCPAを下げることはできますが、CVが出ないということは、市場から商品やサービスが求められていないということなので、事業戦略から変える必要が出てきます。
もちろんCPAが低ければ低いほど、市場からの反応は良好ということなのでCPAが低いに越したことはありません。今回は顕在層に販売しているので、この段階で目標CPAを上回ってしまうと、今後潜在層に移行していく際に、キツくなってくることが予想されます。
また、検証に必要な広告量の正解はありませんが、私の経験値としては目標CPAの5倍程がいいと思います。1件あたり1万円以内で獲得する必要があるのであれば、5万円出稿して結果を見るといった感じです。
今日からリスティング広告で検証を始めよう
色々と話してきましたが、新商品・サービスの検証を最短&ミニマムで実施するためのステップをまとめます。
①商品・サービスのLPをつくる
②リスティング広告を出稿するキーワードを選定する
③リスティング広告を出稿する
このやり方を使えば、不動産や高級車のような、よほど単価の高い商品でない限り、10万円前後の広告ですぐに検証することができるので、新商品や新規事業の検証方法としてはかなり再現性が高いと思います。
内容のまとめ
- ニーズの検証とは、商品が実際に売れるかどうかを確かめること
- 検証フェーズでは、最も商品を買ってくれそうな人をLPに呼び込むことが重要
- 顧客の行動は検索に表れるので、Googleのリスティング広告を出稿するのが再現性があり、最短で検証ができる
- リスティング広告のキーワード選定では、カテゴリー名を認知している準顕在層を狙う
- 最初は目標獲得単価は意識するが、実際にコンバージョンするかの方が重要