ランディングページ(LP)とは?特徴、メリット、作り方を初心者向けに徹底解説


「ランディングページって何?」「ホームページやWebサイトと何が違うの?」

ネットでビジネスを行なっていると一度は疑問に持つのではないでしょうか。

もしあなたがネットでビジネスをしていて、ランディングページの存在を知らないのであれば損をしています。

なぜなら、ランディングページはあなたの代わりに商品を売ってくれる、言わばネット上の営業マンであり、質の高いランディングページが作れれば売上を飛躍的に向上させることができるからです。

ネットに人を集めることと同じくらい、売れるランディングページを作ることは売上を作るうえで重要なのです。

よって、本記事を通じてランディングページの基礎知識を習得しましょう。ランディングページとは何か?から始まり、特徴やメリット・デメリットを初心者でも理解できるように図解を交えて解説していきます。

ランディングページ(LP)とは

ランディングページとは、検索や広告等から訪問者が最初にアクセスしたページのことを指します。

ランディングは日本語で「着地」という意味があるため、ランディングページは最初に着地したページということになります。英語表記でLanding Pageと書くため、略して「LP(エルピー)」と呼ばれます。

ランディングページの目的は商品を販売すること

ランディングページを制作する目的は商品を販売することです。LPに来訪したユーザーに特定のアクションを促すことがゴールになります。

LPはインターネット上のセールスマンと考えてください。店舗ビジネスでは店頭の営業スタッフが販売活動を行いますが、インターネットビジネスではLPが販売活動を行うのです。

例えば、あなたが洋服屋であればLPのゴールは服を販売することです。BtoB向けに業務システムを販売しているのであれば、問い合わせや資料請求がLPのゴールになります。

ホームページとの違い

会社のホームページなどとは異なり、1ページ完結で縦長なページという特徴を持つのがランディングページです。

また、ホームページは会社や商品の様々な情報を掲載しますが、ランディングページは商品の販売に繋がる情報しか掲載せず、余計な情報は省きます。

ホームページとの違いについては下記で詳しく解説しています。

ホームページとランディングページの違いは何?商品を売りたいならLPは必須!

ランディングページの特徴

では、ランディングページの特徴を見ていきましょう。

特徴は下記の3点です。

・1ページ完結で縦長のレイアウト
・デザインが派手で見た目の印象が強い
・どんな行動を促すのかが明確

1ページ完結で縦長のレイアウト

ランディングページは基本1ページの構成になっており、他ページへの遷移リンクはほとんどありません

これは、離脱を極限まで防止することでユーザーにページの情報をしっかりと読んでもらうためです。ユーザーはLPに来訪するとページをスクロールしていくしかなくなるので、読んでいくうちに購買意欲が高まるという訳です。

1ページ内に伝えたい情報を詰め込むため、1ページが長くなって縦長のレイアウトになります。

店舗でもお客さんが店頭の商品を見ているだけではどれにしようか迷ってしまいますが、営業マンが1対1でコミュニケーションをして売り込めば成約率は上がります。

ネット上でも同じように、他のことに気をとられないようにすることで(他ページへの遷移をなくすことで)、目の前のLPを読むしかなくなるため売り込みができて成約率が高くなるのです。

デザインが派手で見た目の印象が強い

LPはホームページと比べて見た目のインパクトが強いものが多いです。特にファーストビュー(LPの見開きトップページ)の印象は重要です。

当然ですが、ファーストビューを見て離脱されてしまうとそれ以降の情報は読んでもらえません。ファーストビューを見て、自分が求めていたものと違ったり魅力がなさそうに見えてしまうと離脱されてしまうのです。

これを防ぐために、下記のように見た目のインパクトが強いデザインにして興味を惹きつけます。

  • キャッチコピーの文字を大きくする
  • 広告塔となる著名人を全面に押し出す
  • 商品のビジュアルを全面に押し出す
  • 目立つ文字色や背景色を使う

下記のようなLPのギャラリーサイトを見ると、様々なLPデザインがまとまっているので参考になります。

どんな行動を促すのかが明確

冒頭でお伝えしたとおり、LPの目的は「商品を売ること」と明確です。そのため、LP上でもユーザーにどんな行動(アクション)をして欲しいかを分かりやすく伝えるべきです。

ECであれば「購入はこちら」、BtoB商材であれば「まずは資料請求」、セミナーであれば「申込はこちら」といったイメージです。
※EC = インターネット上でモノやサービスを販売すること

LPの中で細かく行動を促すボタンを設置して、ユーザーに訴えかけることで成約率を高めます。

ランディングページのメリット

次にランディングページを制作するメリットをお伝えします。

メリットは下記の3点です。

・1ページに情報を集約できるため訴求力が高い
・ターゲットごとに訴求を最適化できる
・素早くニーズの検証ができる

1ページに情報を集約できるため訴求力が高い

先ほども触れたとおり、LPは1ページ完結なので情報を一箇所に集約することができます。よって、制作者の伝えたい順序で情報を伝えることができるのです。

例えば、商品の公式ホームページの場合、トップページをあまり見ずにいきなり料金ページへ遷移されるかもしれません。

そうすると、本来その価格設定にしている背景(商品の強みやこだわりなど)を理解されずに「高い!」という印象だけ持たれて離脱される恐れがあります。

一方で、ランディングページなら上から下へ順番に読み進めるしかないため、下記のような理想的な順序で読み手に情報を伝えることができます。

これにより、最初は購買意欲の低いユーザーであっても、LPを読み進めるうちに興味喚起でき、最後のクロージングで購入や申込につなげることができるという訳です。

ターゲットごとに訴求を最適化できる

ホームページは1個しか作らないのに比べて、LPは何個でも作れます。というより作った方がいいです。

店頭のセールスマンがお客さんの属性によってセールストークを分けるように、ネット上でもお客さんの属性によってLPの訴求を分けた方が成果が出やすいです。

LPは独立したページなので、広告のターゲティングごとにLPを出し分けることができます。

地域ごとの特性を活かしたLPを作ったり、商品ごとのLPを作ったり、訴求軸ごとのLPを作るといった具合です。

素早くニーズの検証ができる

LPは新規事業の検証や新商品のニーズを把握するのにうってつけです。

売れるかも分からない新商品のために洗練されたサービスサイトを作るのは大変ですよね。LPであればサービスサイトに比べると楽に制作できます。

検証方法は、まずニーズがあるのか確認したい商品やサービスのLPを使って広告を出稿します。目標とするCPA(顧客獲得単価)で商品が売れればニーズがあり、そうでなければ商品や訴求を改善する必要があるということが分かります。

このサイクルをぐるぐる回すことで最短で新規事業や新商品のニーズを検証できます。

ランディングページのデメリット

メリットがあるということはデメリットも存在します。

デメリットは下記の2点です。

・制作するのに時間とお金がかかる
・検索エンジン(SEO)経由の集客には向いていない

制作するのに時間とお金がかかる

LPの制作には時間とお金がかかります。内製と外注それぞれにかかる時間と費用は下記のとおりです。

内製外注
時間2週間1ヶ月
費用デザイナーの人件費50万円


スピードは内製に軍配が上がります。外注だとコミュニケーションコストがかさむため、スピード重視でLPをたくさん作っていきたい場合は内製することをおすすめします。

一方で、内製の場合はデザイナーを自社で抱えることになるため、経営観点では固定費の増加に繋がります。変動費として扱いたい場合は外注が選択肢になるでしょう。

検索エンジン(SEO)経由の集客には向いていない

SEOとはSearch Engine Optimizationの略で検索エンジン最適化を指します。GoogleやYahoo!の検索結果の上位表示を獲得してWebサイトへの流入を増やすことが目的です。

検索エンジンで上位表示されるためには情報量が重要で、何ページにも渡って専門性の高いコンテンツを提供する必要があります。

しかし、LPは基本1ページしか作成しないので、情報量に限りがあります。よって、検索結果での上位表示を期待してはいけません。

SEOによる流入の代わりに、広告で流入させましょう。

ランディングページで成果を出すためにやるべきこと

次に、ランディングページで成果を出すために実施すべきことをお伝えします。

ポイントは下記の3点です。

・どこから流入させるかを事前に想定する
・スマートフォン最適化を必ず行う
・LPは公開後の改善の方が大事

どこから流入させるかを事前に想定する

LPを企画する前にまずやるべきことがあります。それは、どうやってLPにユーザーを流入させるのかを想定することです。なぜなら、流入元のユーザーを鮮明にイメージすることで、そのユーザーに刺さる訴求を作れるからです。

少なくとも、流入チャネルターゲティングの2つは意識するようにしましょう。

流入チャネル

流入チャネルはSEOや、広告、メールマガジンといったユーザーの流入経路を指します。今回は広告の中でもFacebook広告から流入させると想定します。

ターゲティング

ターゲティングは流入チャネルの中でも、さらにユーザー像を細分化することを指します。

SEO・・・どんなキーワードから流入させるのか?
広告・・・どんなユーザーに向けて配信するのか?
メールマガジン・・・どのリストに対してメールを送信するのか?

このような感じです。

先ほど、Facebook広告で流入させると想定しましたが、一概にFacebook広告と言ってもリターゲティング(一度サイトに訪問したユーザーに広告を配信すること)で配信するのか、新規ユーザー向けに配信するのかで全くユーザー属性が異なります

リターゲティングであれば、一度サイトに訪問してくれたユーザーなのでサービスのことはなんとなく理解しています。よって、特定カテゴリーの中から選んでもらうようなLPの訴求を作った方がいいでしょう。

具体的には自社商品の特徴や強み、競合比較の説明を厚くするといった具合です。

一方、新規ユーザーに向けて広告を出すのであれば、まずユーザーの悩みに共感し、この商品があなたの悩みを解決できるということを訴求した方がいいでしょう。競合商品との比較はその後です。

このように、流入チャネルを選定した後はターゲティングまで想定することが重要です。これをやることで、LPを見る人を鮮明にイメージできその人に向けた尖った訴求を作ることができます。

スマートフォン最適化を必ず行う

これはもうマスト中のマストです。スマホを使わない人なんてほとんどいないので、息をするようにスマホ最適を行いましょう。

特にSNS経由の流入がメインになる場合などは、ほとんどがスマホ流入になるため、PCよりもスマホ最適化を優先したほうがいいくらいです。

外注の場合、スマホ最適化を依頼すると費用が上積みになることもあるので、予算が限定的な場合は、既存のサイトがPCとスマホどちらの流入が多いか確認した上で、スマホベースに制作をしてもいいでしょう。

スマートフォン用サイトの企画やデザインは下記のようなサイトが参考になります。

LPは公開後の改善の方が大事

ようやくLPが完成していざリリースできたらホッとする気持ちは分かります。しかし、本当の勝負は実はここからなのです…。

広告を出してユーザーを集めてみたものの、なかなか購入に繋がらないなんてことは日常茶飯事です。原因が何かを考えて、LPを改善していく必要があります。

売れるLPは一朝一夕で作れるものではなく、チューニングを積み重ねた先にしかないということを覚えておきましょう。

もし、LPを公開しても全く反応がないのであれば、ターゲットや訴求など企画時点でのズレがある可能性が高いです。

私の経験則では、全く反応がない状態で細かなデザイン・文言調整をしてもあまり改善できた試しはないので、企画の方向性自体を見直した方がいいでしょう。

このような、LPの改善作業のことをLPO(Landing Page Optimaization)と言います。LPOの具体的なやり方やコツは下記の記事でまとめているので参考にしてみてください。

初心者でも分かるLPOとは何か?実践手順や必須のツールも紹介

ランディングページの基本的な作り方

ランディングページの作り方は下記のとおりです。

主に、LPの企画工程と制作工程に分かれます。LPの成否の9割は企画工程で決まると言ってもいいでしょう。

どれだけクオリティの高いデザインだとしても、ターゲットにニーズがなかったり、訴求が刺さっていないと成果は出ないからです。

また、LPの全工程を外注する場合は最低でも1ヶ月程度はかかります

外注するにしても制作過程だけにすることをおすすめします。自社サービスや商品のことを一番理解しているのは自分たちなので、企画工程は自分たちで担った方が認識の齟齬が生まれずコミュニケーションコストも抑えられるからです。

最近では次で紹介するノーコードのツールもたくさん出てきているので、ツールを使って簡単に制作するのも一つの選択肢として考えてみてください。

LPの作り方における各工程の詳細は下記の記事で解説しています。

ランディングページの作り方を6つの手順で徹底解説!制作手段や外注の考え方も分かる

ランディングページ制作の無料ツールを紹介

ランディングページ制作の無料ツールを使ってランディングページを制作することで、時間も費用も抑えることができます。外注できる予算がなく、社内に制作ノウハウもない方に特におすすめです。

ランディングページ制作ツールを使えば、デザインやコーディングの知識がなくても直感的にランディングページを作れます。

おすすめの無料ツールは下記の3つです。

・ペライチ | 30万人以上が利用する国産のホームページ作成サービス
1ページだけの簡単なホームページやランディングページを作るのにお勧め
・Wix | 世界最大級のホームページ作成サービス
デザインテンプレートが豊富で好みにあったページが作れる
・STUDIO | 次世代デザインプラットフォーム
サーバーの設定作業が不要で、複数人でWebサイト構築を進められるのが特徴

その他にもランディングページ制作におすすめのツールは下記の記事にまとめているので参考にしてみてください。

【最新版】おすすめのLP作成ツール5選を徹底比較!特長や機能の違いも分かる

ランディングページ制作で役に立つ本

最後に、ランディングページの作り方を学びたい方におすすめの本を紹介します。

ランディングページ・デザインメソッド

ランディングページ制作初心者におすすめしたいのがまずこちら。LPの考え方からコンテンツ設計、コーディングまでLP制作工程の全てのノウハウを学べます。

ランディングページ・デザインメソッド WEB制作のプロが教えるLPの考え方、設計、コーディング、コンテンツ制作ガイド

ランディングページは、リスティング広告などから流入したユーザーに商品購入や資料請求といった行動を起こしてもらうコンバージョンを目的として作られており、インターネット広告を効果的に活用するうえで、今や欠かせない存在となっています。

セールスコピー大全:見て、読んで、買ってもらえるコトバの作り方

LPのコピーが書けないと悩んでいる方におすすめなのがこちら。売れる表現方法やユーザーに読ませる表現方法のノウハウが詰まっています。

セールスコピー大全:見て、読んで、買ってもらえるコトバの作り方

セールスコピー(=買ってもらうための文章術)専門家による「バカ売れさせるスキル」のすべてをこの1冊にまとめました。「チラシ、POP、DM、セールスレター」から、「販売サイト、ネット広告、HP、ブログ、SNS、メルマガ」まで、リアルの紙からネットを問わず、幅広く効果を発揮します。

ネットで「女性」に売る 数字を上げる文章とデザインの基本原則

女性向けの商品を扱っている方におすすめなのがこちら。ネット上で女性に売るための文章とデザインのノウハウが記載されています。

ネットで「女性」に売る 数字を上げる文章とデザインの基本原則

インターネット上で「女性向け」の商品・サービスを「売るため」の、文章とデザインのノウハウを伝える書籍。女性に商品やサービスを売りたいのであれば、「女性に響く」文章の書き方、デザインの見せ方を取り入れる必要があります。本書は、その書き方・見せ方の極意を余すことなく伝えるものです。

その他にも広くマーケティングを学んでみたい方におすすめの本は下記にまとめています。

▶︎ 【保存版】マーケティングのおすすめ本を22冊厳選【初心者から中級者まで】
▶︎ Webマーケティングを学ぶのにおすすめ本15冊!分野別に紹介します


一通り、ランディングページとは何か?を解説してきました。

1回読んでいきなり全てを理解することは難しいと思うので、少しずつ制作を進めながら詰まったところで本記事を見直すといった使い方をしてもらえると嬉しい限りです。

内容のまとめ

  • ランディングページとは、検索や広告等から訪問者が最初にアクセスしたページのこと
  • ランディングページを制作する目的は商品を販売すること
  • 会社のホームページなどとは異なり、1ページ完結で縦長なページという特徴を持つのがランディングページ
  • ランディングページの特徴
    • 1ページ完結で縦長のレイアウト
    • デザインが派手で見た目の印象が強い
    • どんな行動を促すのかが明確
  • ランディングページのメリット
    • 1ページに情報を集約できるため訴求力が高い
    • ターゲットごとに訴求を最適化できる
    • 素早くニーズの検証ができる
  • ランディングページのデメリット
    • 制作するのに時間とお金がかかる
    • 検索エンジン(SEO)経由の集客には向いていない
  • ランディングページで成果を出すためにやるべきこと
    • どこから流入させるかを事前に想定する
    • スマートフォン最適化を必ず行う
    • LPは公開後の改善の方が大事
  • ランディングページの制作は企画工程と制作工程に分けることができ、成否の9割は企画工程で決まる
  • ランディングページ制作の予算が少なく、社内に制作ノウハウがない場合はランディングページの無料制作ツールを活用するのがおすすめ