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「主力商品が売れない…」
「色んな広告媒体を試したけれどどれもコストパフォーマンスが合わない…」
このような悩みをお持ちではないですか?
「フロントエンド商品」を作ることでそれらの悩みが全て解決するかもしれません。フロントエンド商品・バックエンド商品の考え方を知ることで、これまでよりも格段に商品を売りやすくなり、かつ持続可能的に商品を販売していくことが可能になるでしょう。
本記事では、フロントエンド商品・バックエンド商品が何かを解説した上で、活用事例や押さえておくべきポイントまでご説明します。
目次
フロントエンド商品とバックエンド商品
まず最初にフロントエンド商品・バックエンド商品が何か説明していきます。
フロントエンド商品とは
フロントエンド商品とは、「Front」とあるように最初に見込み客に販売する商品・サービスのことです。自社が本当に売りたい本命商品(= バックエンド商品)の前に販売する商品で、新規顧客の獲得を目的とします。
バックエンド商品とは
一方、バックエンド商品とは自社の本命商品・サービスのことです。バックエンド商品のゴールは利益を出すことです。最終的にバックエンド商品を販売するためにフロント商品を販売します。
フロントエンド商品で見込み顧客が満足してくれないとバックエンド商品を買ってもらえないため、フロントエンド商品とバックエンド商品の関係性はこの上なく重要になります。
フロントエンド商品とバックエンド商品はセットでないとダメ
フロントエンド商品とバックエンド商品は常にセットで考えなければなりません。
フロントエンド商品はとにかく「集客」にフォーカスし、バックエンド商品ではしっかりと利益が出る商品を販売することがフロントエンド商品・バックエンド商品を成功させるポイントです。
フロントエンド商品しかないと、見込み顧客は獲得できるが利益が出せないという事態に陥ります。利益が出ないと継続的にビジネスとして成立しません。
一方で、バックエンド商品しかないと、ユーザーからの興味を引くことができず集客に苦戦します。
先に作るべきはバックエンド商品です。あくまでフロントエンド商品は集客施策なので、本命の商品(= バックエンド商品)がなければそもそもビジネスとして成立しません。商品を買ってくれる人がいると分かって、どう集客をしていこうかと考え始めたフェーズでフロントエンド商品の開発に着手しましょう。
フロントエンド商品はビジネスを成功させる上で最強の手法
フロントエンド商品はビジネスを成功させる上で欠かせない手法です。ビジネスで例えると難しくなりがちなので、もっと身近な恋愛で考えてみましょう。
あなたが男性だとして、恋をしている意中の女性A子さんがいたとします。あなたはA子さんとなんとかして付き合いたいと考えています。しかし、A子さんはあなたにそれほど興味がありません。
このような状況下であなたはどのようにA子さんを食事に誘いますか?
だめです。撃沈します。A子さんはあなたに興味がないのにストレートに誘ってもOKがもらえるはずがありません。
もっと、A子さんがメリットに感じるような提案が必要です。例えば、下記だとどうでしょう?
これなら誘える確率が上がるはずです。A子さんは自分の好きなフランス料理が食べられます。また、デートに行くと言うよりはご飯を食べに行くだけと軽い気持ちで参加できます。
食事に誘えさえすれば、あなたの魅力を知ってもらう機会が生まれます。
このように、興味のない相手に対していきなりストレートに商品(= ここでは自分を指す)を売ってはいけません。相手に精一杯魅力のある商品(= フランス料理をご馳走)を提案することで初回接点を持つことがフロントエンド商品の役割であり、最強の手法たる所以です。
フロントエンド商品のメリット・デメリット
フロントエンド商品の重要性が理解できたところで、次にフロントエンド商品を作る上でのメリット・デメリットを説明します。
メリット
まずメリットです。大きく3つあります。
新規顧客獲得を増やすことができる
フロントエンド商品を開発する最も大きなメリットです。先ほどの恋愛の例のように興味のないユーザーに対していきなりバックエンド商品は売れません。よって、ユーザーのメリットを第一に考えたフロントエンド商品を開発することで、新規の見込み顧客を増やすことができます。
獲得した見込み顧客を資産化できる
フロントエンド商品を購入してくれた時点でユーザーのメールアドレスを獲得できるため、獲得したリストを資産化できます。さまざまな切り口でアプローチをしてバックエンド商品の販売に繋げる機会を手に入れられます。
さまざまなニーズを持ったユーザーにアプローチできる
A訴求のフロントエンド商品を作って売れなくても、B訴求のフロントエンド商品なら売れる可能性があります。色んな訴求でフロントエンド商品を開発して、ユーザーに応じて柔軟に訴求を変えることができます。
デメリット
デメリットは2つです。
フロントエンド商品を開発するのに時間がかかる
フロントエンド商品の種類にもよりますが、時間がかかる場合もあります。とは言え、バックエンド商品を開発するよりは遥かに簡単です。多少なりとも時間はかかってしまうため、今フロントエンド商品を開発する優先度が高いのかは事前に確認しましょう。
本来バックエンド商品を買おうとしたユーザーがフロント商品に流れて離脱する可能性がある
フロントエンド商品を販売しなくてもバックエンド商品を買ってくれていたはずのユーザーが、フロントエンド商品に流れてしまう可能性があります。それだけなら良いのですが、フロントエンド商品だけで満足してしまって離脱する恐れもあります。
この問題は必ず起きてしまうため、事前にどれくらいの割合で発生するかは試算して、それでもフロントエンド商品に取り組むべきか判断しましょう。
フロントエンド商品の事例
具体的にフロントエンド商品の役割を果たしている事例をご紹介します。
動画配信サービスの無料トライアル
定額制動画配信サービスのHuluは、月千円前後でドラマや映画が見放題です。有料サービスの良さを体感してもらうために、Huluはフロントエンド商品として2週間無料トライアルを提供しています。
フロントエンド商品 | 2週間無料トライアル |
バックエンド商品 | サービスの月額課金 |
化粧品のお試しセット
化粧品会社は商品の定期購入をしてもらうことがゴールです。様々な化粧品がある中で決めては「実際に使ってみて良かったか」になるでしょう。
そこで、多くの化粧品会社が無料お試しセットをフロントエンド商品として提供しています。無料お試しセット分はコストになりますが、定期購入に繋げることでコストを帳消しにしています。
フロントエンド商品 | 自宅で商品を無料でお試し |
バックエンド商品 | 商品の定期購入 |
住宅メーカーの無料展示会
住宅メーカーが販売したいのはもちろん住宅です。しかし、住宅を即決する人はほとんどいません。多くの場合、色んな物件を吟味してそれでも購入しないという意思決定をすることも多いです。
そこで、興味を持ってもらう人を増やすためにフロントエンド商品として無料の住宅展示会を開催しています。
フロントエンド商品 | 無料展示会 |
バックエンド商品 | 住宅の販売 |
若手タレントのテレビ出演
某芸能事務所で売り出し中のタレントはテレビ出演を格安で行なっているという噂があります。芸能事務所からすると格安でタレントをテレビ出演させることがフロントエンド商品となっています。
テレビに出演することでタレントの認知度を上げて、バックエンド商品であるファンクラブ会員の登録やチケット販売で稼いでいます。
フロントエンド商品 | 格安テレビ出演で認知拡大 |
バックエンド商品 | クラブ会員、グッズ販売、コンサートのチケット販売、など |
食堂の100円コロッケ
大学の食堂や街中の食堂において単価の高い商品といえば定食です。ランチや夕ご飯で食堂を利用してもらうために、フロントエンド商品として100円のコロッケを販売するケースがあります。
コロッケに限らず小腹が空いた時にサクッと買えるものをフロントエンド商品として提供します。
フロントエンド商品 | 休み時間の100円コロッケの販売 |
バックエンド商品 | ランチや夕ご飯の定食販売 |
居酒屋のワンコインランチ
居酒屋の利益の出しどころは夜のメニューです。特にドリンクの利益率は高いです。夜の集客を増やすために、お昼は採算ギリギリのワンコインランチをフロントエンド商品として提供し、ビジネスマンに認知してもらう施策を行なっています。
フロントエンド商品 | お昼のワンコインランチ |
バックエンド商品 | 夜の居酒屋メニュー |
フロントエンド商品を設計する上でのポイント
バックエンド商品との一貫性があること
これは最も重要なポイントです。フロントエンド商品とバックエンド商品には一貫性がなくてはいけません。繰り返しになりますが、フロントエンド商品のゴールは集客を最大化し、バックエンド商品の販売に繋げることだからです。
先程示した例でも、全てがバックエンド商品に繋がるような導線設計になっていたと思います。
バックエンド商品の一部を切り出して商品化したり、バックエンド商品を購入した顧客が欲しがるような商品を作りましょう。
出来るだけ購入ハードルを下げる
フロントエンド商品の目的は集客の最大化です。よって、フロントエンド商品の購入ハードルが高くては本末転倒です。出来るだけユーザーが取っ付きやすいコンテンツを提供する必要があります。
購入ハードルの低い商品にする方法(一例)
- 商品の一部を無料で提供する
- 期間を限定して商品を無料提供する
- ユーザーのライトなニーズを満たすために超格安商品を作って提供する
ただ単に無料で提供すれば売れるというものでもありません。ユーザーは日々様々な商品やサービスのセールスを受けているので、無料で提供するにしても有料級にメリットのある商品を提供しなければ興味を持ってもらえません。
フロントエンド商品による顧客獲得コストが現実的か確認する
フロントエンド商品を作ったら広告等でコストをかけて販売していくことになります。その際、下記2点の目標値は必ず決めておきましょう。
- フロントエンド商品の販売にかけられる上限獲得コスト
- バックエンド商品への転換率
目標値を決めていないとフロントエンド商品は大量に売れたが、結局利益が出ないという事態に陥ります。
例えば、バックエンド商品の販売にかけられる上限獲得コストが1万円だとします。フロントエンド商品からバックエンド商品への目標転換率を30%に設定すると、フロントエンド商品の販売にかけられる上限獲得コストは3000円になります。
よって、目標値は下記のようになります。
- 3,000円(フロントエンド商品の販売にかけられる上限獲得コスト)
- 30%(バックエンド商品への転換率)
フロントエンド商品購入後のフォローが重要
フロントエンド商品の販売がうまくいった後は、バックエンド商品への転換率を上げることに時間を使いましょう。放っておけばバックエンド商品を購入してくれるなら苦労はしません。
多くの場合、フロントエンド商品の購入後にナーチャリングをする必要があります。ナーチャリングとは顧客の育成のことで、見込み顧客が商品を購入することでどれだけ素晴らしい未来が待っているかを説明することです。
ナーチャリングを通じて見込み顧客との関係値を築き、信用貯金を貯めましょう。
リードナーチャリングについては下記の記事で詳しく解説しています。
リードナーチャリングとは何か?必要性と実行ステップを解説具体的にはフロントエンド商品の購入後に、下記のような施策を実施します。
リードナーチャリング施策の一例
- 対面でクロージング
- 定期的な面談設定や電話によるアプローチ
- ステップメール
- メールマガジン
- 限定イベントへの招待
- LINEのステップ配信
- 別のフロントエンド商品の購入を促す
内容のまとめ
- フロントエンド商品は最初に見込み客に販売する商品・サービスのことで、新規顧客の獲得を目的としている
- バックエンド商品は自社の本命商品・サービスのことで、利益を出すことを目的としている
- フロントエンド商品はあくまで集客施策なので、バックエンド商品ありきとなる。優先して作り込むべきはバックエンド商品
- フロントエンド商品を作るメリットは新規顧客を増やせて、それらを資産化できること
- デメリットは、フロントエンド商品なしでもバックエンド商品を購入してくれたかもしれない顧客がフロントエンド商品に流れて離脱するリスクがあること
- フロントエンド商品を設計する上でのポイントはバックエンド商品との一貫性を保つこと、出来るだけ購入ハードルを下げること、顧客獲得コストが現実的かを試算することの3つ
- フロントエンド商品が売れると分かった場合は、その後のリードナーチャリングでバックエンド商品への転換率を上げることに注力しよう