【全て実話】広告代理店のあるある10選を経験者が語る


各業界には、その業界特有の「あるある」が存在することが多いです。華やかなイメージが強い広告代理店にも「良い・悪いあるある」が数多く存在します。今後、広告代理店への就職や転職をお考えの方は、予備知識として事前に知っておきたいのではないでしょうか。

そこで今回は「広告代理店のあるある10選」を経験者が紹介します。

筆者は実際、ベンチャーと中小企業の広告代理店2社に勤務し、様々なクライアントと仕事をしたり、多数の競合他社を見てきました。その実体験を元に、詳しく解説していくので、転職や就職を考えている方はぜひ参考にしてください。

広告代理店の良いあるある5選

ではまず、広告代理店の「良いあるある」を5つ紹介します。

人脈が広がる

まず1つ目は「人脈が広がる」という点です。広告代理店は、クライアントとの打ち合わせや会食に加え、出稿媒体社(メディアを運営している会社)との打ち合わせも多くあり、社外組織との繋がりが広く太くなりやすいと言えます。

クライアントに、自社へ広告運用を依頼してもらうために、提案のMTGを重ねることもありますし、依頼を受けた後も、広告の運用状況や今後の改善策を伝える定例MTGなどを組まれることが多いでしょう。

また、出稿媒体社からすると、広告代理店はお客様に当たります。出稿媒体社は、広告代理店のもつ案件の拡大(広告出稿費用の増加)が売り上げ増加に直結するため、手厚いフォローをしてくれる場合が多く、MTGはもちろん電話などでもアドバイスをしてくれることが多いです。

このように社外組織との関わりが深くなりやすいとともに、複数のクライアント・媒体を受け持つことが多くあるため、人脈が広がりやすいという点が挙げられます。

幅広い汎用スキルが身につく

2つ目は「幅広い汎用スキルが身につく」という点です。広告代理店は、クライアント対応や営業、プレゼンテーション、広告の運用や分析と改善、さらにクリエイティブ案作成や改善など、幅広い業務を担当する場合が多いです。

これらの業務を通じて、筆者は下記のような汎用スキルが身についたと自負しています。

  • プレゼン力や交渉力
  • 論理的思考
  • 臨機応変な対応
  • マルチタスク処理能力

1人当たり担当するクライアント数は5~10社が妥当なため、こなす業務量も多く他のオフィスワークでは経験できないほどの数多くの汎用スキルが身につくと言えるでしょう。

数字に抵抗が無くなる

3つ目は「数字に抵抗が無くなる」という点です。広告の運用をする際、実施した広告によって何%のユーザーが流入したのか、その中から何%が成果に繋がったのかなど、数字やデータなどで結果を可視化する必要があります。

数値やデータを分析し、改善策を練り、実行することが求められるため、ほぼ毎日数字に触れる機会があるでしょう。そのため、必然的に数字に抵抗が無くなる人が多いです。

筆者も数字は大の苦手で、高校生の時の「数Ⅱ」の成績は学年でも下の方でしたし、広告代理店入社当時も、数字を用いた業務に混乱していました。ですが、業務をこなしていくうちに数字への抵抗は薄れ、数字を使ったデータ作成やプレゼンテーションなども問題なくこなせるようになりました。

学歴に関係なく高収入が狙える

4つ目は「学歴に関係なく高収入が狙える」という点です。特に、中小企業やベンチャーの場合、学歴に関係なく入社できる場合が多く、成果を出せば給料に影響する「インセンティブ」という給与体制をとっている企業が多数あります。

実際、筆者の最終学歴は専門学校であり、大学を出ていませんがベンチャーと中小企業の広告代理店を経験しましたし、2社ともインセンティブの給与体制がとられていました。

具体的には、毎月掲げられる売り上げ目標を達成すれば、ベースの給料に加えて10%のインセンティブ報酬、目標数値+50%を達成した月は20%のインセンティブ報酬という形で、給料に反映されるイメージです。

ただ最大手(例:電通、博報堂)の場合は入社時に学歴が重視される傾向があったり、企業によっては年功序列制度を用いている場合もあるため一概には言えません。しかし中小企業やベンチャーは学歴不問が多く、インセンティブの給与体制をとっている企業が多いでしょう。

バイタリティが自然と身につく

5つ目は「バイタリティが自然と身につく」という点です。2つ目の「良いあるある」で紹介したように、広告代理店は1人が幅広い業務を担当することが多く、様々な汎用スキルを身につけることができるでしょう。さらに、クライアントからの突発的な依頼を受ける場合も多々あります。

そのため正直に伝えると、広告代理店は様々なタスクやMTGをこなす多忙な日々が続くことが多く、バイタリティが自然と身につきやすいと言えるでしょう。筆者も広告代理店入社当時は、多忙な日々に戸惑った記憶があります。

ただ、多忙な日々を乗り越えるとだんだんとバイタリティが培われていき、スケジュール変更やタスク追加などにも問題なく対応できるようになりました。こなせる業務量が増加していくと、できることも自然と増えていくため、結果として成果に繋がったと筆者は考えています。

広告代理店の悪いあるある5選

では次に、広告代理店の「悪いあるある」を5つ紹介します。

筆者が勤めていた広告代理店の実体験や、先輩や上司の経験談なども含めて紹介しますが、全ての広告代理店に当てはまるわけではありません。「こういった広告代理店もある」といったイメージで参考にしてもらえればと思います。

成果至上主義のためプレッシャー過多

1つ目は「成果至上主義のためプレッシャー過多である」という点です。広告代理店の醍醐味でもあり、他の仕事でも該当しますが「成果=評価」であり、昇格や給料、ボーナスなどに反映されます。

出した成果によって、評価や待遇が分かりやすく変わりますし、出世している同僚や後輩などと給料や待遇面の比較がしやすいため「いい結果を残さねばならない」という義務感とプレッシャーを感じることも多いでしょう。

配属ガチャがある

2つ目は「配属ガチャがある」という点です。広告代理店は、部門やチームによって対応するクライアントや媒体が異なります。

またあわせて、それぞれクライアントの特徴や、状況(商品やサービスの拡大状況や、規模感)、担当媒体の扱いやすさやクライアントの人気度合も変わるでしょう。そのため、配属によって「成果が出しやすいか否か」は正直変わります

広告運用において必要とされる「分析力」や「論理的思考能力」は、どんなクライアントや媒体を担当しても基本的には同じです。

ただ、特徴のある(気難しかったり、すごく細かなところまで説明を求めるような)クライアントだとなかなか提案が通りづらかったりもしますし、扱いにくい媒体だと売上自体が上がりにくかったりするでしょう。

飲み会・接待文化

3つ目は「飲み会・接待文化」のある企業が多いという点です。広告代理店のイメージとして、お酒を飲む人や飲み会・接待が多いというイメージがあるかと思いますが、筆者の体験からいうと実際にそうだったと言えます。

営業が絡む仕事なので、お客様であるクライアントを接待する機会は多くありますし、媒体社から接待を受ける場合も多いです。例として、多額な取引を長期間行っているクライアントであれば、季節ごとや毎月接待を行う場合もあります。

また企業にもよりますが、広告代理店の業務は大体3~5人程の小チームを編成して行います。ただし、チーム内で業務全てが完結するわけでは無く、小チーム同士や制作部、マネージャー陣とコミュニケーションをとりながら業務を遂行していくことが多いです。

そのため、関わりのあるスタッフ同士がコミュニケーションを深めるために飲みに行くこともありますし、目標を達成した際に飲み会が開催されることもあります。もちろん強制ではありませんが、お酒や飲みの場が苦手な場合、ストレスを感じる場面が多いかもしれません。

上下関係が厳しい

4つ目は「上下関係が厳しい」という点です。具体的には、役職のついている社員とそうじゃない社員での関係性がはっきりしているというイメージになります。企業にもよりますが、広告代理店は基本的にチームで動くことが多く、マネージャーとリーダーを主軸に業務を進めます

そのため、日々の売上推移や業務状況などは、リーダーやマネージャーなどの上司に管理され、目標達成が難しい場合は「なぜ達成が難しいのか?目標にどうやって近づけるのか?」の説明を迫られることもあるでしょう。

このように、上司と部下との関係性がはっきりとしている状態で業務を進めることが多く、上下関係が厳しいと言えます。

退職後、同業他社への入社禁止

5つ目は「退職後、同業他社への入社が禁止される」という点です。退職する際の立場や役職にもよりますが、具体的には「退職後1年間は同業他社への就職を禁ずる」という契約書を退職時に交わされるというイメージです。

広告代理店に限られたことではありませんが、企業がもつ特有の技術や営業上の情報などを、同業他社で同じように活用され、利益を奪われないようにするための契約になります。

こちらに関して筆者は体験したことはなく、先輩や元同僚が体験しており、割と複数人が経験している話でした。ただ企業によってはそのような契約は一切ない、という場合もあるため、一概には言えないでしょう。

内容のまとめ

いかがでしたでしょうか?本記事では「広告代理店のあるある10選」を紹介しました。華やかなイメージが強く、憧れる方も多い広告代理店にも、良い・悪いあるあるは数多く存在します。

ただ今回紹介したものは、筆者や筆者の周りの経験によるものであり、全ての広告代理店に当てはまると言えるわけではないので、予備知識として参考にしてもらえればと思います。広告代理店への就職や転職をお考えの場合、本記事が役に立てば嬉しいです。