マーケターとコンサルタントの違いは何?現役マーケターが簡潔に解説します

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マーケターとコンサルタント。

どちらの職業も聞き馴染みがあるのではないでしょうか。言葉から伝わる雰囲気は似ていそうですが、中身は全く異なる職業です。

本記事では、マーケターとコンサルタントがそれぞれ何をする仕事なのか?、そしてマーケターとコンサルタントの違いについて解説していきます。

マーケターかコンサルタントのどっちを目指そうか迷っている人、仕事の違いについて理解したい人に役立つ内容になっています。

マーケターとは?

マーケターの定義は人によって異なるでしょう。商品を売る人、商品を作る人、売れる仕組みを作る人、などです。実は、明確な定義はありません。

長らくマーケターとして仕事をしている身から言わせてもらうと、マーケターとは「売上・利益を上げる人」です。究極的にはこれしかありません。

商品を作る、商品を売る、売れる仕組みを作る、というのは売上・利益を上げることを目的とした時の手段に過ぎません。

正直、売上・利益を上げるための手段は何でも言い訳です。商品に課題があるのか、プロモーションに課題があるのか、プライシングに課題があるのか、それぞれを見極めて改善プランを作っていきます。

マーケターの仕事に答えはなく、時には天から降ってきたジャストアイデアにロジックを肉付けして実行していくことも必要になります。将来、この商品・サービスはこれくらいの人に使われていて、こんな使われ方をしているという理想を描く力も大事です。

マーケティングのことをより詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。

マーケティングとは何か?初心者にも分かるように一から解説

コンサルタントとは?

コンサルタントは、企業の経営者が抱える課題をヒアリングし、それを解決できるプランを提案したりアドバイスする人です。また、アドバイスに止まらず提案したプランを実行する部分まで担うこともあります

コンサルティング会社は事業会社とは区別され、一般的にコンサルティングファームと呼ばれています。依頼主がいてビジネスが成り立つクライアントワークです。

依頼を受けたコンサルティングファームは、社内で複数の社員を集めてプロジェクトを編成して顧客の対応に当たります。プロジェクト単位で仕事をするため、一定の期間が過ぎたら別プロジェクトに移ります。結果、携わるプロジェクトの数は多くなるのが特徴です。

コンサルティングの種類

コンサルティングには大きく2つの種類があります。「経営コンサルティング」「業務コンサルティング」です。

経営コンサルティングは経営トップの支援を行い全社的な課題を扱うのに対して、業務コンサルティングは特定の部署が持つ課題を扱います。

具体的に対象となる業務は下記です。

経営コンサルティングの対象業務

M&A、他業種進出/撤退、分社化、社内カンパニー制、組織改革、新規事業開発、新商品開発、など

業務コンサルティング対象業務

財務、税務、法務、コスト削減、人事、営業、研究、生産、物流、環境、マーケティング、IT、生産性向上、技術、など

このように、企業で必要になるほとんどの業務においてコンサルティングを提供する企業が存在しています。

マーケターとコンサルタントの違い

では、ここまでの内容を踏まえて、本題でもあるマーケターとコンサルタントの違いについて説明します。

最大の違いは、マーケターはマーケットと向き合っているのに対して、コンサルタントはクライアントと向き合っているということです。

マーケターはマーケットが必要としている商品を作り、それらをマーケットに届ける必要があります。その結果として売上・利益を得ます。

コンサルタントは顧客が必要としているプランや解決策を作成する必要があります。その対価として、顧客から報酬(売上)を得ます。

このように、マーケターとコンサルタントの役割や仕事内容は全く別物なのです。

マーケティングコンサルタントとは?

ややこしくしているのが「マーケティングコンサルタント」という職種かもしれません。マーケティングコンサルタントは、クライアントに対してマーケティングのアドバイスや支援を行う人です。

マーケティングという名前がついていますが、本質的にはコンサルタントです。クライアントに満足してもらうことで報酬(売上)を得ます。

企業のマーケティング部署に対して、集客戦略のアドバイス、調査支援、広告改善などを行い、クライアントの売上・利益改善に貢献することがミッションです。

マーケティングのコンサルティングを行うため、マーケティングの実務に携われる点では事業会社のマーケターと同じです。

しかし、コンサルティングはどこまでいってもクライアント第一です。

ユーザーの利益だけを考えている訳にはいかず、クライアントが求める要件を満たしているか、納得してもらえるか、という観点も必要になります。最終意思決定者が自分たちである事業会社のマーケティングとはここが決定的に異なります。

マーケティングの仕事に携わりたい方は事業会社か支援会社(コンサルティング会社)の違いを理解した上で、自分が希望する会社を選びましょう。

内容のまとめ

  • マーケターとは「売上・利益を上げる人」であり、商品に課題があるのか、プロモーションに課題があるのか、プライシングに課題があるのか、見極めて改善プランを作っていく
  • コンサルタントは、企業の経営者が抱える課題をヒアリングし、それを解決できるプランを提案したりアドバイスする人であり、実行面までサポートする場合もある
  • コンサルティングには「経営コンサルティング」と「業務コンサルティング」の2種類があり、経営コンサルティングが経営トップに対して支援を行うのに対して、業務コンサルティングは特定の部署に対して支援を行う
  • マーケターとコンサルタントの最も大きな違いは、マーケターはマーケットと向き合っているのに対して、コンサルタントはクライアントと向き合っている点
  • マーケティングコンサルタントは、クライアントに対してマーケティングのアドバイスや支援を行う人で、企業のマーケティング部署に対して、集客戦略のアドバイス、調査支援、広告改善などを行う