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仕事で成果を出すためにスキルを身につけたいと考える人は多いです。マーケターは特に専門スキルが求められる職種の1つです。
マーケティングに必要な専門スキルと言うと、広告運用!SEO!のようなWebマーケティングスキルに言及することが多いでしょう。もちろん、それらも欠かせない重要なスキルです。
一方で、マーケターを目指す人なら誰もが習得しようとするスキルなので、他のマーケターとあまり差別化することができません。
成果を出すマーケターはWebマーケティングスキルに加えて、今回紹介する専門スキルを掛け合わせて使っています。マーケターだけでなく、全てのビジネスパーソンが身につけるべき普遍的な専門スキルだと思っています。
また、将来マーケティング責任者、事業責任者として活躍したい人にとっても役立つスキルです。
それでは、全7スキルをランキング形式でご紹介していきます。
目次
第7位:プログラミング(HTML/CSS)
第7位はプログラミング言語のHTML/CSSです。マーケティングの仕事にプログラミング?と思った方もいるかもしれませんが、実はマーケティングとプログラミングの親和性は非常に高いです。
HTML/CSSはWebサイトを作るためのプログラミング言語で、HTMLは文字や画像などの情報を司っておりWeb上の文書です。CSSは文字の大きさや色などの情報を司っており、HTMLで作成した文書を装飾する役割があります。
マーケティングにおいてWebサイトは営業マンです。Webサイトのクオリティが商品の売れ行きを左右します。そのため、何度も何度も細かいチューニングやテストをして改善を行う必要があります。
Webサイトを改善するにあたって、小さな改善やA/Bテストの設定くらいは技術者に依頼せずとも自分でできた方が施策の実行スピードが何倍も速くなります。また、技術者に依頼する場合でも、技術のことがわかっていればコミュニケーションコストを抑えられ、修正工数の正確な見積もりができます。
HTML/CSSにめちゃくちゃ詳しくなる必要はありません。様々な教材に載っている「HTML/CSSの基本」の部分だけを習得するだけで、自分でサイトの改善ができるようになります。学習時間の目安は10~20時間程度です。
HTML/CSSの勉強方法
- ProgateのHTML/CSSレッスンを活用する
- ドットインストールの「ウェブサイトを作れるようになろう」で学ぶ
- テックキャンプのようなプログラミングスクールで学ぶ
第6位:デザイン
第6位はデザインです。デザインスキルとマーケティングの親和性も非常に高いです。何も自分でPhotoShopが使いこなせたり、LPのデザインが作れる必要はありませんが、最低限のデザインの基本原則は理解すべきです。
マーケターはブランドに責任を持っています。ブランドとクリエイティブは切っても切り離せない関係にあり、クリエイティブの品質をコントロールするためにはデザインの基礎知識が必要です。
Webサイト、店頭ポップ、パンフレット、広告バナー、プロモーション動画、などこれらのクリエイティブの良し悪しを判断できなければいけません。クリエイティブを制作するのはデザイナーですが、最終的にその制作物を使うか否かのジャッジはマーケターが行います。
高いレベルで仕上がったクリエイティブAとBのどちらの方が良いかを決めるのは、センスや感覚に寄るところも大きいです。この場合は直感で良いと感じた方を選べば良いでしょう。
一方で、明らかにデザインのルールに則っていないクリエイティブが上がってきた場合は、指摘ができなければいけません。デザインルールに則っていないクリエイティブを判断できずに出し続けていればブランドを毀損する恐れがあります。
非デザイナーでも理解すべきデザインの基本中の基本となる4大原則が下記です。この4つを知っているだけでも格段に違います。
また、マーケターはチームメンバーや他部署の人を巻き込んで仕事を進める必要があります。デザインが出来なければ、見づらいプレゼン資料や文書を作ってしまい読み手にも負担をかけてしまうでしょう。
自分で綺麗で読みやすいプレゼン資料や文書を作るためにもデザインの基礎知識が役立ちます。
デザインの勉強方法
- 「ノンデザイナーズ・デザインブック」を読む
- 「なるほどデザイン」を読む
- 自分で制作物を作り、できる人からフィードバックを受ける
ある程度インプットができたら、スライドを作ったり、広告バナーを作るなどアウトプットして、プロのデザイナーからフィードバックを受けましょう。周りに教えてくれる人がいない場合は、MENTAのようなサービスでデザイナーを見つけると良いでしょう。
第5位:タイピング
第5位はタイピングです。皆さんタイピングスピードは速いですか?デスクワークにおいてパソコンはなくてはならない仕事道具であり、パソコンなしでは仕事になりません。
よって、パソコンの操作効率が生産性に直結します。特にマーケティングの仕事はパソコン上で行う作業が非常に多く、タイピングスピードの向上はマーケターの生産性に大きく影響します。
タイピングスピードが2倍になるだけで、仕事の生産性がシンプルに2倍になります。
「寿司打」というタイピングゲームの1万円コースで少なくともお釣りがくる程度にはタイピングスピードを上げることを推奨します。
なかなかタイピングスピードが上がらない人はホームポジションがずれている可能性があります。その場合は一度、ホームポジションを練習するゲームから取り組んでみてください。
タイピングの勉強方法
- 毎日寿司打を使って練習する
- ホームポジションの練習をする
第4位:プログラミング(SQL)
第4位はプログラミング言語のSQLです。データ分析をするのにSQLは欠かせません。
SQLはデータベースを操作するためのプログラミング言語で、データベースの中に入っている何十万・何百万ものデータからデータを検索、追加、作成、削除することができます。
マーケターは何らかの仮説を持って企画を作るため、仮説の精度の高さがマーケターの仕事の質と言っても良いでしょう。仮説の精度が高ければ検証スピードが上がり、成果を出すまでの期間を短縮することができます。
逆に仮説の精度が低ければ、「施策を実行しなくても事前に調べれば分かっていた」という事態になりかねず、中々ビジネスを前に進めることができません。
多くの場合、数値から導かれた事実を元に仮説を立てるため、仮説の精度を高めるためには、データ分析能力が不可欠です。データ分析能力が高い状態とは、自分たちがどのようなデータを保持しているか(つまり、データーベースの構造)を把握し、好きな時にそのデータを抽出して分析することができる状態です。
データ抽出をエンジニアに依頼していると、他タスクとの兼ね合いで数日かかるといったケースもざらにあります。自分でSQLを書いてデータを分析できると1時間もあれば終わる作業です。施策の実行スピードには雲泥の差が出ることが分かります。
そもそも、自分たちが何のデータを保持しているか把握できていないのは論外です。精度の高い仮説を立てる機会があるにも関わらずそれを自ら捨てているようなもので、機会損失を起こしています。
SQLの勉強方法
- ProgateのSQLレッスンを活用する
- ドットインストールの「データベースを学ぼう」で学ぶ
- 「スッキリわかるSQL入門」を読む
第3位:エクセル / スプレッドシート
第3位はエクセル(スプレッドシート)です。Windowsを使っている人はエクセル、MacBookを使っている人はスプレッドシートを使うことが多いと思います。
我々ビジネスマンはエクセルが持つ力を侮ってはいけません。なぜなら、究極的にはエクセルさえあれば全ての仕事が片付いてしまうと言っても過言ではないからです。
データ分析、事業計画の作成、シミュレーション、施策の目標設定、数値の集計、TODO管理、プロジェクト管理、などマーケターのあらゆる仕事がエクセルに集約できます。
マーケターは全ての施策において数値を元に良し悪しを判断していくので、日常的にエクセルを使います。エクセルが使えないマーケターは仕事の生産性が半分以下になっていることを自覚しましょう。
とは言え、エクセルの機能や関数を全て暗記している必要はありません。自分が何かを集計したり、自動化したい時に都度調べて応用できる状態になっていれば問題ありません。
数値の集計やシミュレーションはエクセルで効率化して、仮説の構築や企画、考察に時間を使うのが本来のマーケターの姿です。
身につけたいエクセルスキル
- 関数(SUM関数、IF関数など)
- 表計算
- VLOOKUP
- ピポットテーブル
エクセル / スプレッドシートの勉強方法
- 実践で使う機会を増やす
- 実践で使いながら分からないところを都度ネットで検索する
- もし、体系的に学びたい場合は下記サイトがおすすめ
第2位:セールスライティング
第2位はセールスライティングです。セールスライティングは商品やサービスの販売を目的とした文章のことです。ユーザーに買いたいと思ってもらえるような魅力的な文章を書く必要があります。
セールスライティングは、マーケティングで結果を出すために必要不可欠なスキルだと断言します。素晴らしい商品があるにも関わらず、セールスライティングのスキルがないことで売れない理由を商品の質にばかり求めてしまっては、商品が売れるようにはなりません。
インターネットでビジネスを展開する場合、セールスライティング = 営業力であることをまずは理解しましょう。マーケティングの仕事をしていると、あらゆる場面においてセールスライティングが必要とされます。
セールスライティングもデザインと同じでセンスや感覚で上手くなるものではありません。これを押さえておけば売れるというポイントがあります。
例えば下記のような点です。
売れるセールスライティングの要素(一例)
- 商品の機能性ではなく、使用後に実現できる姿を訴求する
- 自分のストーリー(体験談)を語る
- ネガティブ・コンプレックス訴求
- 商品の権威付による信頼性の演出
- 購入リスクをなくす保証を付ける(全額返金など)
このように、セールスライティングのポイントを知っているだけで訴求力の高い文章が書けるようになります。成果を出したいと考えるマーケターは、まずはセールスライティングから身につけることを強くおすすめします。
セールスライティングの勉強方法
- 「沈黙のWebライティング」を読む
- 「禁断のセールスコピーライティング」を読む
- バズ部の「コピーライティング」カテゴリーの記事を全て読む
- Twitterやブログ、noteなどでバズること目的として情報発信をする
第1位:人に伝える文章力
映えある第1位は、人に伝える文章力です。第2位でもセールスライティングを取り上げましたが、ここで言う文章力とは、情報伝達手段としての文章力です。商品を売るセールスライティングとは似て非なるものです。
マーケターにとって文章力が重要な理由は、マーケティングの仕事は1人ではできないからです。マーケターは戦場における言わば将軍であり、プロジェクトの中心となってリードしていかなければなりません。
デザイナーとクリエイティブを作成し、カスタマーサポートと問い合わせ対応の方針を決め、現場スタッフとオペレーションフローを考えて、エンジニアとシステムを開発し、それら全てを統括しなければいけません。
プロジェクトに関わるメンバーを統括するための手段が企画書やプレゼン資料です。あなたが作成した企画書を社内の様々な部署の何十人・何百人という人たちが見て実行に移していきます。
そこでもし、解釈の余地が大きい文章の言い回しを使っていたら、皆が違った方向にバラバラに進んでしまいます。もし、網羅性の低い文章を書いていたら、あらゆる角度から質問が投げかけられ、あなたは施策の実行ではなく社内の調整・コミュニケーションに膨大な時間を取られることになります。
マーケターが作る企画書1つが、あなた自身、ひいては会社の生産性を左右するのです。よって、分かりやすい企画書や提案書を書くことはマーケターにとって必要不可欠なスキルです。
まだ社員数の少ないベンチャー企業であれば、人に伝える文章力よりもセールスライティングやSQL、HTML/CSSのような現場で即活用できるスキルが重宝されるかもしれません。ただし、会社が成長して大きな影響力、大きな成果を出すマーケターになるためには、人に伝える文章力は最も重要なスキルといって過言ではありません。
人に伝える文章力の勉強方法
- 「書く技術、伝える技術」を読む
- 「具体と抽象」を読む
- 実践で何度も企画書や提案書を作成し、上司からフィードバックを受ける
さいごに
いかがだったでしょうか。今回は分かりやすく専門スキルに特化してマーケターに必要なスキルをご紹介しました。
第1位、第2位が共に文章力であったことからも分かるように、マーケターに高い文章スキルは必須です。
文章が書けるか否かは企画書や提案書を見た瞬間に分かります。文章は毎日多くの人の目に触れるものなので、マーケターではなくてもビジネスマンとして身につけておくとあらゆる場面で成果に繋がるでしょう。
当然1位に近いほど重要性は高まっていきますが、どのスキルも身につけておくと他のマーケターと差別化できて市場価値を高めることができます。
ぜひ今日ご紹介したスキルを磨いて、マーケターとしての市場価値を上げてください。
独学でWebマーケティングを始める人のおすすめ勉強方法は下記の記事でまとめているので、是非合わせてご覧ください。
Webマーケティングの独学勉強法を実践者が解説【転職・稼ぐ方法も分かる】内容のまとめ
マーケティングに必要な専門スキルTOP7
- 第7位:プログラミング(HTML/CSS)
- 第6位:デザイン
- 第5位:タイピング
- 第4位:プログラミング(SQL)
- 第3位:エクセル / スプレッドシート
- 第2位:セールスライティング
- 第1位:人に伝える文章力