Webマーケティングは未経験だと厳しい?結論、全然そんなことないです【実体験を語る】

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「webマーケティング 未経験」と検索をすると、「難しい」「やめとけ」というサジェストが上位にきます。

これを見てしまうと、これからWebマーケティング職を目指したい方にとっては不安が大きくなってしまうでしょう。

筆者自身も20代で未経験からWebマーケティングの仕事を始め、その後マーケティング責任者として合計約6年間仕事をしてきました。また、一緒に働くメンバーの採用にも携わり、実務未経験者を何名も採用してきました。

このような経験から、Webマーケティング職への未経験転職は厳しいという意見は的外れのように感じてしまいます。一方で、確かに特定の条件においては厳しいケースもあると思っており、それがどのようなケースなのかを本記事では解説していきます。

また記事の後半では、そもそもWebマーケティングの仕事に向いていない人の特徴や、筆者が未経験から即戦力Webマーケターになるまでにやってきたことを経験を元にお伝えします。

ぜひ最後まで読んで参考にしてみてください。

【結論】一般論で言うとWebマーケティング転職は未経験でも厳しいことはない

まず初めに、改めて結論を述べます。

一般論で言うと、Webマーケティング転職は未経験だからといって厳しいということはありません。どの職種においても最初は誰もが未経験からスタートするので、未経験だから厳しいと採用を拒んでいると、市場にWebマーケターがいなくなってしまいます。

医師や弁護士のような高度専門職の場合は、長い時間勉強をして試験に合格する必要がありますが、Webマーケターはそういった資格も不要です。未経験から転職に成功すれば、今日からあなたもWebマーケターを名乗れます。

しかしながら、未経験からWebマーケティング転職をすることが、全ての人にとって同じ難易度という訳でもありません。条件次第では難しい扉になってしまう可能性があることも理解しておいた方がいいでしょう。

では、どんなケースの場合にWebマーケティング転職が厳しいと言えるのか。次から具体的に見ていきましょう。

Webマーケティング転職が未経験だと厳しいのはどんなケースか?

まずは一般論を述べてきましたが、場合によっては未経験からのWebマーケティング転職が厳しいケースというのは存在します。ここでは、これまでの私の経験を踏まえて、どのようなケースだと厳しいのかをお伝えしていきます。

以下4つの観点から考察します。

  • 年齢の観点
  • 企業難易度の観点
  • 経歴の観点
  • 働き方の観点

年齢の観点

年齢は上がるに連れて、未経験からのWebマーケティング転職の難易度は上がります。これは、Webマーケティング職に関わらず、基本的に全ての職種において同じことが言えます。

具体的には以下のとおりです。

20代 未経験でも転職できる
30代 20代に比べると難易度は上がるものの、不可能ではない(年齢が低ければ低いほど良い)
40代 かなり厳しい

20代はポテンシャル採用の枠が用意されているため、未経験OKの求人に積極的に応募していきましょう。筆者も20代未経験の方を何名も採用した実績があります。

30代は難易度は上がるものの、これまでの仕事で結果を出した経験やWebマーケティングの仕事がしたい動機が明確であれば採用されるケースは十分にあります。

40代以降は非常に厳しいと言わざるを得ません。20代未経験と40代未経験を比較した時に、40代を採用するメリットがほとんどないからです。例えば、マネジメントで組織を一変できる、など「あなたを採用することで会社がどう良くなるか」を語れないと厳しいでしょう。

企業難易度の観点

次に企業難易度の観点です。

結論、採用競争力の高い企業や人気企業に未経験で転職を目指す場合は、ポテンシャルが高くないと厳しいでしょう。具体的には、メガベンチャーや外資IT企業、大手広告代理店などです。

このような企業は、新卒以外でWebマーケ職の未経験枠を用意していないことも多いです。新卒就活時に比べると、そもそも選択時の数が減っていることは理解しましょう。

人気企業に入りたい場合は、最初は知名度の低い会社や業界トップではない企業に入社して結果を出し、実績を引っ提げて即戦力として転職するのが現実的です。

最初にどんな企業を選べばいいか分からない場合はWebマーケティング職に強い転職エージェントに登録して、キャリアアドバイザーからいくつか求人を紹介してもらいましょう。

経歴の観点

次に経歴の観点です。

まず、入社難易度の高い会社に勤めていた経験がある場合は有利と言えるでしょう。これはハロー効果と呼ばれる心理効果で、その会社に入社できている時点で優秀である可能性が高いと採用担当者が考えるからです。

しかし、このような企業に入社できる人は一握りですよね。企業名よりも大事なことは、これまでの社会人キャリアでどのような成果を出したのか語れることです。

成果を出すまでのプロセスで、自分がどのように考え行動したのかを具体的に話せると、転職を有利に進められるでしょう。

他の仕事で成果を出したプロセスに再現性があれば、Webマーケティングの仕事が未経験であっても粘り強く取り組んで結果を出してくれそうと思えるからです。このように、面接官は「入社後の伸びしろ」を見て採用するか否かを判断しています。

働き方の観点

最後に働き方の観点です。

未経験からWebマーケティング転職をするのに、フルリモートやフルフレックス勤務などを必須条件にしていると厳しいかもしれません。

自分のペースで柔軟に働きたいと考える気持ちは分かりますが、実務未経験で入社する場合はとにかく最初のキャッチアップ期間が大事です。

そのため、教育担当者や上司はコミュニケーションを密に取るために、オフィス出社や同じ時間に勤務することを要求する可能性が高いです。

長い目で見ると、その方が理想の働き方をすることに繋がると思うので、一人前になるまでは働き方はあまり求めない方が上手くいくと思います。

Webマーケティングの副業や独立は未経験だと厳しい理由

未経験のWebマーケティング転職はここまでで説明してきたとおりですが、副業や独立となると未経験では非常に厳しいです。これは年代や経歴に関係なくハードルは高くなります。

その理由は以下の3つです。

  • 実績がないと案件を獲得できないから
  • 成果しか求められないから
  • 自信を持って仕事ができないから

実績がないと案件を獲得できないから

まず最初のハードルですが、実績がないと案件を獲得するのが困難です。

特に、クラウドソーシングやフリーランスの案件エージェントなど、お互いに初対面で仕事をする方法を取る場合、発注者は未経験の人に発注する理由がありません

プロフィールを見て実績のある人に発注をするでしょう。筆者が発注者でもそうします。

もし完全未経験のまま個人で案件を獲得したいのであれば、友人や経営者の知り合いに連絡するのが最も筋が良いでしょう。これまでの付き合いで信用が貯まっていれば、試験的に最初の案件を発注してくれるかもしれません。

それだけ「実務未経験の個人」が案件を獲得することは難しいです。

成果しか求められないから

2つ目は、成果しか求められないからです。

1つ目にも紐づいてくるのですが、副業や独立して案件を受けると、発注者からは成果(アウトプット)しか求められません。実務未経験者が成果を出せると考える人はいないです。

一方、正社員採用の場合は、未経験者を採用するメリットがあります。

例えば、スキルが全くなくても、会社の理念に強く共感していれば採用することがあるでしょう。企業が持続的に成長していくためには、同じ志を持った人材を正社員として採用することの方が優先度が高いからです。

このように、正社員として転職する場合と副業やフリーランスとして企業の案件に関わる場合では、企業が求めているものが違うことを理解する必要があります。

自信を持って仕事ができないから

最後3つ目は、自信を持って仕事ができないからです。個人的に未経験から副業や独立が厳しいと思う大きな理由です。

仮に案件が獲得できたとしても、実務経験がないと自信を持って仕事ができません。業務をしながら、本当にこのやり方で結果が出るのか不安で仕方がないでしょう。

強靭なメンタルを備えている人であればなんとか乗り切れるのかもしれませんが、多くの人はそうではありません。結果、その心持ちが発注者にも伝わってしまい、発注者と良い関係を築けない可能性が高いです。

よって、自信を持ってできる仕事であると断言できないのであれば、あなたも発注者もお互いに不幸になる可能性があるので、案件を受けずに先に経験を積むことを優先した方がいいです。

Webマーケティングの仕事が向いていない人の特徴

未経験からのWebマーケティング転職が難しいケースや、いきなり副業や独立を目指すのは厳しいことを説明してきました。

Webマーケティングの仕事は向き不向きがはっきり出る仕事だと思うので、そもそも性格や志向性的に向いていない人は、せっかく頑張って転職に成功しても長続きしないかも知れません。

ここではWebマーケティングの仕事が向いていない人の特徴をいくつか紹介します。

黙々と仕事をすることが苦手な人

Webマーケティングの仕事はパソコンの画面と向き合って一人で黙々と仕事をする時間が長いです。数値を分析したり、分析した結果を報告するために資料を作成するなど、デスクワークがメインとなります。

リーダークラスになれば、他部署やクライアントとのMTGが増えますが、いちメンバーとして働く際は業務の8割程が黙々と作業することになるでしょう。

もし、これまで人とコミュニケーションを取ることがメインだった営業職や接客業の方の場合、業務内容のギャップが大きいです。自分が一日中、デスクで考え事をする仕事が苦ではないかは、転職活動をする前に問うてみてください。

感情的に物事を判断する人

感情的に物事を判断する人もWebマーケティングの仕事に向いていないです。

Webマーケティングはあらゆる施策の結果を数字で可視化することができます。そのため、数字を元に論理立てて説明をする力が要求されます

論理を無視して「自分はこちらが良いと思う」という主観だけで突っ走ってしまうタイプの人は厳しいでしょう。本人はそれでもいいかも知れませんが、論理的に説明できないと上司の承認を得られません。そのような状況下で活躍するのは難しいです。

これまでの社会人経験で周囲や上司から、あなたがどのように評価されてきたのかを振り返ってみてください。もし論理的に物事を考えて仕事を進めることが強みと言われた経験があるなら、Webマーケティングは向いている可能性が高いです。

企画やアイデアを考えることが苦手な人

新しい企画やアイデアを生み出すことが苦手な人もWebマーケティングの仕事が向いていない可能性が高いです。

Webマーケティングの仕事では、決まったルーティーンワークはほとんどありません。オペレーショナルではない分、都度、市場環境やクライアントの要求に対して、最善の企画を作り続けなければいけません

基本的に指示書のようなものはないので、自分で考えてゴールまでの道筋を考えられる人でなければ、正直厳しい環境になるでしょう。

こちらも、これまでの社会人経験の中で、人から言われたことを従順にこなすタイプだったか、自分で主体的に提案をしていくタイプだったか振り返ってみてください。前者であれば、Webマーケターには向いていないでしょう。


以下の記事では、逆にWebマーケティングの仕事に向いてる人の特性を解説しているので、気になる人はあわせてご覧ください。

Webマーケティングの仕事に向いてる人の特徴5選【10項目の適性診断付き】

筆者が未経験から即戦力Webマーケターになるまでにやったこと

冒頭でも軽く触れましたが、筆者自身も20代で未経験からWebマーケティングの仕事を始めて、現在は責任者としてマーケティングを統括しています。副業で継続的に取引をしている会社もあり、即戦力Webマーケターであると自負しています。

筆者が即戦力のスキルや経験を獲得するために、具体的にやってきたことを共有したいと思います。唯一の答えではありませんが、筆者の経験で少しでも参考になる部分があれば嬉しいです。

具体的には以下の4つです。

  • 人よりも働く
  • 業務をしながら分からないところを学ぶ
  • 仕事の選り好みをしない
  • 提案の数を最大化する

人よりも働く

1つ目は「人よりも働く」です。

体育会系的な発想にはなりますが、最短で即戦力になるには「質より量」をどれだけやれるかが大事だと思います。未経験の時は何から手をつけたらいいのか分からず、そのような状況下で質を求めるのは無理があります。

筆者も最初の1年は日付を超えて仕事をすることが頻繁にありました。誰よりも量をこなして、人よりも早く成長したかったからです。

結果的に、1年半後には他にマーケター経験が長い人がいたにも関わらず、責任者にも抜擢されました。責任者になることで、また新しいチャレンジができ、スキルも経験も積み上げることができています。

このように、最初のうちはとにかく行動量を増やして、何が良くて何が悪いのかをひたすら学習するのがおすすめです。

業務をしながら分からないところを学ぶ

2つ目は「業務をしながら分からないところを学ぶ」です。

新しい仕事をスタートする時、本を読むなど膨大なインプットから始める人がいますが、筆者はおすすめしません。仕事はアウトプットができてなんぼの世界なので、知識を詰め込むよりも手を動かすことを優先した方が結果的に成長が早いです。

筆者は、初めてWeb広告運用の業務を任された時、まずは他の人が過去に作成した広告を参考にしながら、見よう見まねで自分でも作ってみました

他にも、新しいLPを作りたいけれどリソースがないという時に、自分でHTML/CSSをコーディングしたこともあります。やり方が分からないので、他人が書いたコードを参考にしながら作っていきました。

このように、まずは手を動かすことから始めて、やりながら分からないところを調べていく方法が、初心者を脱するには効率的な学習方法だと思います。

未経験であることを恐れず、まずはできるところから業務を進めていきましょう。

仕事の選り好みをしない

3つ目は「仕事の選り好みをしない」ことです。

一人前になるまで仕事の選り好みをしない方がいいです。任された仕事や宙に浮いているチームの仕事は、積極的に自分が巻き取っていくスタンスがおすすめです。

その理由は以下の2つです。

  1. 施策の引き出しを増やせる
  2. 自分が得意な領域の仕事が分かる

1つ目はWebマーケティングの施策の引き出しを増やせます。色んな施策に関われば関わるほど、達成したい目標に対してどの施策が最適かを、多くの選択肢の中から見定められるようになります。

2つ目は自分が結果を出しやすい施策が何かが分かってくるようになります。例えば、ユーザーに刺さるコピーを作るのが得意とか、論理的に考えて施策を立案するのが得意、といった具合です。自分の得意領域を知ることで、仕事のペースを作りやすくなります

少なくとも最初の半年程は様々な仕事にチャレンジした方がいいです。

提案の数を最大化する

最後の4つ目は「提案の数を最大化する」ことです。

爆速で成長するためにはとにかく上司に提案するのがおすすめです。提案をすることで、フィードバックを得られ、それが新しい気づきや学びになります。

会社には必ず上司がいて、提案をするとフィードバックがもらえます。タダでフィードバックがもらえる環境があるのって冷静に最高すぎませんか?この環境を使い倒さない理由がありません。

筆者の場合は、毎朝のチームMTGで必ず1つ提案するように自分に課したり、上司と毎週実施していた1on1ミーティングで、必ず新しい企画の提案をもってくるという約束をして、やらざるを得ない環境を設けていました。

これによって、自分1人で勉強をするよりも何倍ものスピードで学習できた自覚があります。

内容のまとめ

未経験からWebマーケティングは厳しいとネット上で言われていますが、当事者でもある筆者はそう思ったことはありません。

確かに、本記事で解説したように転職が難しいケースというのはありますし、副業や独立を未経験で目指すとなると厳しいでしょう。

未経験からWebマーケティングは厳しいと言っている当人たちは、Webマーケティングの仕事が向いていなかっただけの可能性もあります。仕事には向き不向きがあり、向いていない場合は仕事が楽しくなく結果も出ません。

転職を始める前に、まずは自分がWebマーケティングの仕事に向いているのかを確認してみてください。その上で、チャレンジしたい場合は、厳しいという言葉に惑わされず、一度転職活動をしてみることをおすすめします。

本記事が少しでもWebマーケターをこれから目指す方の役に立っていれば嬉しいです。