Designed by pch.vector / Freepik
「マーケターの平均年収はどれくらい?」
「マーケターとして年収を上げるためにはどうしたらいいのか?」
と疑問に感じていると思います。
まず、マーケターの平均年収は476万円です。
そして、マーケターという職業は平均年収に止まらず、キャリアアップをして年収を上げていくことが可能です。年収が1000万円を超えることも珍しくありません。
本記事では、マーケターの平均年収に言及した後、年収を上げる3つの方法を解説します。最後まで読んでもらえれば、あなたの知りたいマーケターの年収の上げ方が分かり、これから目指すべき道が見えてくるでしょう。
目次
マーケターの全年代平均年収は476万円
転職サイトdodaの調査によると、マーケターの全年代平均年収は476万円です。ここでは、他職種との比較や年代別の比較、マーケターの年収がどのように決まるかを見ていきましょう。
全職種平均よりも約70万円高い水準
全職種の平均年収が409万円であることを考えると、マーケターの年収は約70万円高く、平均年収は高いと言えるでしょう。
マーケターの平均年収 | 全職種の平均年収 |
---|---|
476万円 | 409万円 |
年代が上がると、年収も上がる
マーケターの年収は年齢を重ねるごとに増えていきます。年収のピークは50代以上です。
30代を超えてくると、プロジェクトマネージャーや事業責任者、ブランドマネージャーなど管理職に就く人が増えてくるため、平均年収も高くなっていきます。
他職種に比べて、年収の上がり幅が大きい
また、年収の上がり幅も全職種と比較しても大きいです。20代では全職種の平均年収との差は約40万円ですが、50代以上になると約240万円程にまで開きます。
ほとんどの企業において集客や新規顧客獲得は経営課題なので、その課題を解決できるマーケターの需要は高く、将来的には経営層や経営に近いポジションとして活躍していくためです。
マーケターの年収はスキル、役職、業界の3要素で決まる
マーケターの年収はスキル、役職、業界の3つの要素で決定されます。マーケターに関わらず多くの職種においてこの3要素で年収が左右されるでしょう。
さらに、スキルは専門性と経験の2つに分けることができます。
専門性とは、広告、サイト改善、クリエイティブ、市場調査などマーケティング実務のスキルを指します。経験は事業成長に携わった経験、リーダー経験、プロジェクトを率いた経験、などです。
マーケターが年収を上げる場合は、基本的にこの3要素のどれかをコントロールすることになります。
マーケターが年収を上げる3つの方法
ここからは記事のタイトルにもあるように、マーケターが年収を上げる3つの方法を説明していきます。考え方は超シンプルです。
では、結論からお伝えします。
1つ目の「年収水準の高い業界へ転職する」は年収の3要素のうち業界を変える方法です。2つ目、3つ目の「マネジメント層へ昇進する」と「独立・起業する」は役職、スキルを変える方法です。
3つの方法を具体的に見ていきましょう。
①年収水準の高い業界へ転職する
1つ目は、業界を変えることで年収を上げる方法です。残酷な真実ですが、年収は個人の能力以上にどの業界で働くかで決まります。
利益を出しやすい構造を持っている業界の方が必然的に社員の人件費も高く設定できるからです。
業界と年収の関係性
今回、一般的にマーケティング職がある業界に絞って下記6つに分類しました。また、各業界における代表的な会社名を最大4社記載しています。
そして、各業界のマーケティング職の平均年収を社員クチコミサイト「OpenWork」を使って算出しました。年齢による考慮はしていないため、あくまで参考値ではありますが、業界による傾向は一定読み取れると考えています。
算出方法:
1. 各企業の「マーケティング職」における口コミの平均年収を算出(代理店の場合はプランナーorディレクターで算出)
2. 1で算出した年収を各業界ごとに分けて平均年収を算出
算出期間:2021年7月末まで
傾向として外資系企業の年収水準は高く、特に外資系IT企業がずば抜けて高いです。ただし、外資系IT企業は社数も少なく求める人物要件も高いため、入社ハードルも非常に高いです。
広告代理店は大手総合にカテゴライズされる電通や博報堂は年収水準が高く、日系のマーケティング関連の仕事においてはトップクラスと言えます。
メガベンチャーはマーケティング職からプロデューサーや事業責任者にステップアップすることで、年収をさらに上げるキャリアも選べるでしょう。
年収水準の高い業界は外資系企業・大手総合代理店
以上のように、業界によって年収水準は大きく異なります。
年収水準の高い業界を選ぶのであれば、外資系企業や大手総合代理店になります。しかし、当然のことながらこれらの企業への入社ハードルは高いです。中途・未経験ではまず難しいでしょう。
参考までに実際の中途採用求人を数社ピックアップしました。枠線内には必須条件を記載しています。
【外資系メーカー】アシスタントブランドマネージャー(提示年収:580~800万円)
- 最低5年のマーケティング実務経験
- 市場調査・マーケティングリサーチの豊富な経験
- 高い消費者インサイトの分析力とビジネス洞察力を持ち合わせ、強力なマーケティング計画を策定することができる
- 高いコミュニケーションスキル
- 基本的な英語力
【外資系IT】ブランドマネージャー(提示年収:記載なし)
- クロスファンクショナルチームや外部パートナーと連携して効果的なマーケティングキャンペーンの開発と実行における8年以上の経験
- データドリブンの分析能力
- 技術、ビジネス、経営、全てのレベルにおいて、口頭と文章(日本語・英語共に)の両方で優れたコミュニケーションが取れる
【大手総合代理店】デジタルマーケティングプロデューサー(提示年収:800~1500万円)
- コミュニケーション能力、プレゼンテーションスキル
- 一定水準のドキュメントスキル(Excel、PowerPointを使用した提案資料作成の経験)
- デジタルマーケティングにおける広告、CRM領域の実務経験
- デジタルマーケティングツールの使用経験
いかがでしょうか。中途採用となるとマーケティングの実務経験が求められることはもちろん、外資系企業では英語力も求められます。
たとえ、今これらの企業の募集条件を満たしていないとしても、別の企業でマーケティングの経験を積んで将来的に転職で入社を目指しましょう。
入社する前にトップの年収水準を調べよう
1つの企業に入社して昇進を目指すのもいいですが、入社した時点でどの程度まで年収が上がるかは決まっています。
入社後のギャップを無くすために、その企業でマーケティングのトップを務める人の年収を調査しましょう。トップの年収を知ることで、自分が昇進した時にどの程度まで年収を上げられるかを把握できます。
年収水準は企業の口コミサイトで調べることができます。
企業の口コミサイト
②マネジメント職へと昇進する
2つ目は社内で出世をしてマネジメント層(管理職)になることで年収を上げる方法です。企業では役職とそれに応じた年収レンジが決められています。
一部、高度な技術力を持ったエンジニアなどはマネジメント層でなくてもスペシャリストとして年収が上がるケースもありますが、ほとんどの場合、役職を上げなければ大きな年収アップは望めません。
マーケターの役職と年収の関係性
マーケターとしてキャリアを築いていく場合、最も最上位の役職はCMOや役員になります。CMOは経営者の1人であり全社のマーケティング領域を管掌する立場です。
代理店か事業会社かで役職の名称は異なりますが、一般的には下記のような役職があり上位にステップアップすることでキャリア構築ができます。
当然、上位役職者になればなるほど比例して年収は上がっていきます。また、年収水準が高い業界ほど年収レンジも高くなります。
下記に役職別の年収例を記載します。
メガベンチャーのケース
役職 | 推定年収 |
---|---|
執行役員 | 1500万円 ~ |
ヴァイスシニアマネージャー | 1200万円 ~ |
シニアマネージャー | 1000万円 ~ |
マネージャー | 600 ~ 900万円 |
メンバー | 350 ~ 700万円 |
大手総合代理店のケース
役職 | 推定年収 |
---|---|
部長以上 | 1500 ~ 2000万円 |
課長 | 1200 ~ 1500万円 |
係長 | 800 ~ 1200万円 |
役職なし | 350 ~ 700万円 |
プレイヤーとして結果を出すマーケターは2タイプに分かれる
まずは、プレイヤーからマネジメントをする立場へ昇進することが最初の壁になるでしょう。昇進できるか否かは全て上司の意思決定にかかっているため、上司に認められるだけの結果を出さなければいけません。
マーケターがプレイヤーとして結果を出すには下記2つのタイプがあります。
領域特化タイプ
このタイプは特定の領域への理解度が10点満点中10点あり、その領域を最大限活かして結果を出します。広告代理店から事業会社に転職してきたマーケターが広告運用を強みとするパターンなどがあります。
オールラウンダータイプ
このタイプはあらゆるスキルへの理解度が10点満点中7点くらいあり、様々な施策の組み合わせで結果を出します。新卒で事業会社のマーケターとして入社して経験を積んだり、分業が進んでいない新規事業のマーケターとして経験を積むとこのタイプになりやすいです。
どちらも良い点悪い点がありますが、将来的に事業責任者やCMOのキャリアを目指すのであれば、オールラウンダータイプである必要があるでしょう。
マーケティングの仕事内容やスキル一覧は下記の記事をご覧ください。
【完全版】Webマーケティングの仕事内容を徹底解説【施策一覧も公開】 【資格は不要】マーケティングに必要な専門スキルTOP7【勉強方法も分かる】プレイヤーとマネジメントで求められるスキルは全く違う
一度マネジメントレイヤーに昇進したら、次はマネジメントでも結果を出し続けなければいけません。
プレイヤーとして成果を出していても、管理職になって結果を出せないケースがあるのは、プレイヤーと管理職で求められるスキルが異なるからです。
マーケターがプレイヤーとして成果を出す場合、求められるスキルはマーケティング実務の専門能力です。しかし、役職が上位になればなるほど、マネジメントスキルの重要度が高くなります。
マネージャー(ディレクター)、事業責任者(ブランドマネージャー)、CMOと上がっていくに連れて、右側の戦略立案やプロジェクト管理、決断力のようなマネジメントスキルが重要になり、左側のプレイヤースキルはメンバーに任せて自分で手を動かす機会が減ります。
一度役職がつくと、転職する時も同じ役職で転職しやすい
また、一度現職で役職がつくと転職する際も最低限今と同じ役職で転職がしやすくなります。部長になった人は部長として転職、執行役員になった人は執行役員として転職するといった具合です。
事業責任者やCMOの経験がないのに、転職でいきなり事業責任者やCMOとして採用されるのは難易度が高いです。少なくとも事業責任者候補・CMO候補として入社し、結果を出した上で晴れてそれらの役職に就くことになるでしょう。
これは、採用する側の立場に立つと当然です。マネジメント経験がない人や役職経験がない人を採用して抜擢するのはリスクがあるからです。
管理職になりたいのであれば、まずは現職で昇進をしてマネジメントを経験することが結果として管理職としてのキャリアを成功に導くのです。
③独立・起業する
最後3つの目の方法はマーケターとして独立・起業して年収を上げる方法です。ただし、独立をする場合は年商で考えることの方が多く、個人事業主や法人格として登録すれば、自分の年収は自分で決めることができるようになります。
マーケターが独立する場合の2パターン
マーケターが独立して稼ぐ場合、下記2つのパターンに分かれます。
- クライアントワークをするパターン
- 自分で事業を立ち上げるパターン
クライアントワークをするパターンは、例えば事業会社で結果を出してきたマーケターが複数の企業で顧問やアドバイザーとして関与したり、Webマーケティングの専門スキルを活用して複数の企業で仕事を請け負うケースなどがあります。
自分で事業を立ち上げるパターンは、文字通り自分のビジネスを持つ方法です。こちらの場合は起業色が強いため、マーケターかつ経営者としてキャリアを歩んでいくことになります。
まずはクライアントワークで安定収益を得るのがおすすめ
将来的な収益面の上がり幅が大きいのは事業を立ち上げるパターンです。しかし、ビジネスのゼロイチに絶対はありません。マーケティングの実績がどれだけあっても不確実性は高いです。
よって、まずはクライアントワークで安定的な収入を得ることをおすすめします。
マーケティング責任者やCMOとしての実績があるマーケターであれば、自身の経験を売って企業の経営戦略やマーケティング戦略のアドバイスする顧問業として仕事をたくさん得られるでしょう。
例えば、下記のような案件があります。
月2回の稼働で30万円稼ぐことができ、実績あるマーケターが独立して顧問業やコンサルティング業をやるのも頷けます。
専門スキルを売る場合は、広告運用とSEOの2つが稼ぎやすいです。専門知識が必要で集客に大きく関わる技術なため、困っている企業が多いからです。
例えば、下記のような案件があります。
1案件で月50万円稼ぐことは難しいことではなく、複数案件を抱えれば月1000万円稼ぐことも可能です。
リスクを抑えるならまずは副業から始める
いきなり独立することへハードルを感じる人は多いはずです。そんな方はまず副業から始めましょう。副業でクライアントワークができれば、それはつまり個人で稼ぐ実力があるということになります。
副業先のクライアントから信頼を得て、継続的に案件を受けられる目処が立ってから独立をすればほとんどリスクはありません。
独立してからはスタッフを抱えてクライアントの数を増やしたり、クライアントワークで足元のお金を稼ぎながら事業作りを行うことで、収益を伸ばしていくことができます。
マーケティングは副業がしやすい職種であることから、マーケティングの副業が探せるサービスも豊富です。
副業案件を探せるサービス一覧
市場価値を上げやすい企業選びのポイント
ここまで、年収を上げる方法を紹介してきました。いくら年収が高い業界に入ることができたとしても、やはり長期的に収入を上げるためには自分の市場価値を高めることが必要です。
最後に市場価値を上げやすい企業を選ぶ際のポイントについて解説します。ポイントは1つです。
それは、伸びているorこれから伸びそうな業界に飛び込むことです。そしてできれば、伸びている業界の中でもトップランナーとなる企業がベストです。
伸びているorこれから伸びそうな業界に飛び込む最大のメリットは人手不足が起きるからです。業界自体が成長しているので会社も成長します。すると、新規プロジェクトや新規事業にもどんどん挑戦し、責任者ポストが空いて来るので必然的に抜擢される可能性も高くなります。
一方、伸びていない会社に入社すると全然ポストが空かず、上が詰まってしまってる状態が続きます。上司の上司の上司が転職したり退職するまで昇進ができないなんてことになります。
さいごに
いかがだったでしょうか。マーケターは年収水準が高く、手に職がつくので個人で稼ぎやすい職業です。自分が将来どのようなキャリアを歩みたいのかを考えると、今日から取るべき行動が変わります。
まだ分からない、決めきれないという方は今の職場で結果を出してスキルを高め、役職を手に入れましょう。どのようなキャリア選択をすることになっても、必ず役に立ちます。
内容のまとめ
- マーケターの全年代平均年収は476万円で全職種平均よりも約70万円高い
- マーケターの年収は年代が上がるにつれて上昇し、上昇幅は全職種平均よりも大きい
- マーケターが年収を上げる方法は、①年収水準の高い業界へ転職する、②マネジメント職へ昇進する、③独立・起業する、の3つ
- 年収は個人の能力以上にどの業界で働くかで決まっており、マーケティング職において年収水準の高い業界は外資系企業か総合代理店
- マーケターは役職が上がるにつれて年収が上がり、将来的には事業責任者やブランドマネージャー、経営者へのキャリアも目指せる
- マーケターは独立して稼ぐ人も多く、クライアントワークで稼ぐパターンと自分で事業を作って稼ぐパターンに分かれる
- 市場価値を上げやすい企業選びのポイントは伸びているorこれから伸びそうな業界を選ぶこと