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マーケティングの仕事に興味があるのでまずは資格を取得しようと考えている方。
断言しますが資格は必要ありません。
マーケティングの仕事に資格は全然なくてOKです。実際に私も資格は持っていませんが、現在事業会社でマーケティング責任者の仕事をしています。
上司や会社から資格取得を薦められたこともなければ、周りのマーケターで資格を取っている人を聞いたこともありません。
もちろん、資格を取ることで有利になる職業もありますが、マーケティングにおいては当てはまりません。
本記事では、現役マーケターの立場からマーケティングの仕事に資格が不要な理由を解説していきます。また、マーケターの採用経験もあるため、書類や採用面接でどのような点を見ているかも合わせてお伝えしたいと思います。
目次
マーケティングの仕事に資格が不要な3つの理由
では早速、マーケティングの仕事に資格が不要な理由を3つ説明します。
資格がなくても仕事ができる
まず最初に、マーケティング関連の資格がなくてもマーケティングの仕事はできます。マーケティングに限らず、世に存在するほとんどの仕事に資格は必要ないでしょう。
逆に、資格が必要な仕事というのが下記です。
資格がないとできない仕事
- 医者
- 弁護士
- 宅建士
- 税理士
- 社労士
など
これらの仕事に就きたい場合は、資格取得は避けて通れません。よって、資格を取得する意味は大きく、資格取得のために多大な時間やお金を投資する人も多いです。
しかし、マーケティングはそうではありません。マーケティングの仕事がしたいのであれば、今日から始められるのです。
実務を通じてでしか血肉となるスキルは身に付かない
資格で得た知識を使っていきなり実践で結果を出せるかと言うとそんなことはありません。むしろ実務経験がないので本当にこれでできるのだろうかと不安な気持ちさえ生まれるのではないでしょうか。
私も過去に簿記の資格を取ったことがありますが、理論は分かったものの仕事でどのように活かしていくのかイメージがつきませんでした。
つまり、どれだけ理論を学んだとしても仕事ができる!という自信を得ることはできないのです。これを身につけるには実践で結果を出す以外に方法はありません。
とは言っても、結果を出すための過程として資格を取ったほうが近道になるんじゃない?
こんな声が聞こえてきそうですが、私はそうは思いません。
マーケティングの仕事には考慮すべき様々な変数があります。
・優れた商品の開発
・外部環境の変化に伴う事業への影響
・競合との差別化
・社内・関係者との調整
・移り変わりの激しいプロモーション
不確実性の高い環境下で、今とり得るベストな一手を連続して打って事業を成長させなければいけません。この応用力を座学で身につけることは不可能です。
よって、マーケティングのスキルを身につけたいのであれば、今すぐ実務に関わり、実務を通して生まれた疑問に対して知識をインプットすることをおすすめします。
インプットは本やWebサイトで十分学べる
アウトプットの質を高めていくためにインプットは必要です。しかし、インプットの方法が資格の勉強である必要はありません。
世の中にはマーケティングに関する素晴らしい書籍やノウハウサイトがたくさんあります。実務で結果を出した人が語る思考法やノウハウを数千円もあれば学べてしまうのです。
これらを学ぶだけでも実務に活かせるインプットは十分に可能です。私自身もマーケティング未経験からあらゆるマーケティング本やサイトを読み漁って知識を蓄えていきました。
マーケティングの就職・転職で見られていること【採用経験者が語る】
多くの人が資格を取ろうとする背景にはマーケティング職として就職・転職したいというゴールがあるはずです。このゴールを達成するためには、採用担当者が資格取得を評価するという前提がなければ成立しません。
私は過去にマーケティング職の最終面接官を担当し、複数名を採用してきた経験があります。その経験からお伝えすると、書類にマーケティングに関する資格が書かれていたとしても、それ起点で合格を出したことはありません。
資格を保有しているから加点といったような評価項目も設けていませんでした。もちろん、企業によって評価基準は異なると思うので、あくまで一参考程度に考えてください。
では、どのような点を見ていたのかを未経験者採用枠と経験者採用枠の場合で見てみましょう。
未経験者採用枠の場合
未経験者採用とはマーケティングに関する実務経験が全くもしくはほとんどない人のための採用枠です。入社後の成長ポテンシャルを見込んで採用を行います。
よって、現時点でのマーケティングスキルや経験については求めていません。
見るのはその人自身の性格やマインドセットが中心です。
例えば、下記のようなことを聞きます。
・現職での実績(学生の場合は学生時代に打ち込んだことなど)
→ 一つのことを結果が出るまでやり遂げる継続力や突破力があるかが分かる
・困難に遭遇した時の振る舞い
→ 前向きに困難と対峙して進める勇気や忍耐力があるかが分かる
・これまでの生い立ちや人生観
→ どのような価値観を持っていて、会社の文化とマッチしそうかが分かる
1つ目、2つ目の質問で具体的なエピソードが出てくれば、未経験からマーケティングの仕事を始めたとしても結果が出るまで諦めずに取り組んでくれそうだと思いますよね?
このように、過去の経験をヒアリングして将来マーケティングで活躍する人材になってくれそうかを判断します。
経験者採用枠の場合
経験者採用枠は言わずもがなですが、スキルや実績を見る比重がかなり高くなります。即戦力として考えるため、入社後すぐに求めるポジションで活躍できそうかを見ています。
例えば、候補者AさんとBさんがいたとして、それぞれのアピールポイントが下記だとしましょう。
前職ではマーケティングの資格を3つ取得して、マーケティング担当として3年勤務しました。
前職ではマーケティング担当として3年勤務し、その間に自身の担当であったA商材の売上を毎年30%向上させました。
もっと話を聞いてみたいと思うのは明らかにBさんです。具体的に何をして売上を30%向上させたのか?なぜその施策をしようという思考に至ったのか?など聞いてみたいことがたくさん出てきます。
何よりも担当していた商品の売上を毎年向上させたという実績に惹かれます。
どれだけスキルや資格を持っていることをアピールされても、そのスキルや資格を使って結果を出すことができるのか?が経験者採用では一番重要なポイントになります。
資格以外でマーケティングを身につける方法
ここまでで実務の重要性を説いてきました。従って、マーケティング未経験者がマーケティングを学ぶおすすめの方法も、逆説的ですがやはり実践を経験することです。
具体的なアクションとしては下記の2つになります。
- 今すぐ未経験者枠でマーケティング転職する
- 自分で商品を売って稼ぐ経験をする
今すぐマーケティング職で転職をして、1日でも早くマーケティングの仕事を開始しましょう。正直、2の方法は結果が出ない可能性も全然あり得ます。不確実性の高いことはやりたくないという方は、転職という手段を取るのがおすすめです。
私自身もこの方法を取りました。未経験からマーケティング担当となり、実践を通じてマーケティング能力を磨いていったのです。
先ほどもお伝えした通り、未経験者枠であればこれまでの仕事の実績や価値観などで判断されるため、今時点でのマーケティング能力はなくてもOKです。
マーケティングの仕事を開始すると分からないことが溢れ出てくるので、都度必要なスキルをインプットしていきましょう。実践を通じて何が上手くいって何が上手くいかないのかを自身の体験として学ぶことができるので、知識の定着率も座学だけに比べて段違いに高くなります。
「成果を出さなければいけない」という適度なプレッシャーがあることも、知識の定着率を上げる要因になりますね。
商品やサービスを販売して売上(利益)を作ることがマーケティングの仕事です。よって、小規模であっても自分で商品を売って稼ぐ経験を積むことができれば、マーケティング感覚を養うことができます。
とはいえ、誰でも簡単に稼げる訳ではないと言うことは予めお伝えしておきます。誰でもできる経験ではないからこそ価値があるとも言えます。このことを念頭に置いた上でそれでもチャレンジしたいという野心的な方におすすめです。
未経験者におすすめの手法はアフィリエイトです。
- 小コストで始められるので結果が出なくても損失は最小限に抑えられる
- ネットで商品を売る感覚が身につく
- 今の仕事を続けながら副業で始められる
アフィリエイトで収益を得るためには、「ネット上でアクセスを集める力」と「商品を買いたくなるような文章を書く力」の2つのスキルが必要です。
この2つのスキルはネット上でマーケティングを展開する上で欠かせません。アフィリエイトで収益を得るというゴールに向かう過程で、この2つのスキルを磨いていくことができます。
さらに具体的なアクションに落とすと下記になります。
- WordPressで個人ブログを開設する
- SNSを立ち上げる(Instagram、YouTube、TikTokなど)
読まれるブログにするためにはどうしたらいいか?SNSでフォロワーや視聴者を増やすにはどうしたらいいか?ということを必死に考える過程でマーケティングのスキルを身につけることができます。
マーケティング職への就職・転職でやるべきこと
最後に、マーケティング職への就職・転職を考えている人がやるべきことを解説します。
前提:今の仕事で結果(実績)を出す
まずは今の仕事で結果を出しましょう。先ほど説明したとおり、未経験者採用枠の場合は入社後の成長角度が高そうかを見ているため、現職での成功体験がある人はポジティブに働きます。
似たような経歴の人でも、結果を出して成功体験がある人と卒なくこなしていた人であればどんな企業でも前者の人を欲しがるはずです。
よって、いつ転職するにせよ最善の準備は今の仕事で結果を出すことです。
転職活動をする前に自分の市場価値を知りたいという人は市場価値診断ツールを使ってみてください!
無料で自分の市場価値を診断できる5つのツールを紹介!転職サイトに登録して求人を探す
今すぐの転職を考えていなくても、一度転職サイトに登録して情報収集をしましょう。転職サイトは無料で活用できるので、特に使わない理由はありません。
転職サイトに登録すれば、マーケティング未経験者を採用している企業だけに絞って検索をかけることができます。どんな人材が求められているのか見て、今の自分と照らし合わせてみましょう。
リクナビNEXTやdodaのような総合型の転職サイトに加えて、IT業界に特化した転職サイトや広告業界に特化した転職サイトも存在します。1つだけでなく、複数の転職サイトに登録してどのような求人があるのかチェックしましょう!
Webマーケティング職に人気の転職サイトは下記の記事で詳しくまとめています。
Webマーケティング転職に人気の転職エージェント・転職サイト転職エージェントに相談して業界・職種の知識を得る
転職サイトを眺めているだけでは、あなたが抱えている疑問点は解消できないかもしれません。そんな時は、転職エージェントに相談しましょう。
下記のようなことを壁打ちしてくれるはずです。
・あなたのマーケターとしてのキャリアロードマップ
・あなたにおすすめの業界
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おすすめの転職エージェントは下記になります。転職エージェントも1名だと情報に偏りが生まれるので、複数人から話を聞いてみましょう。
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転職エージェントの中で最も実績が出ており、必ず登録すべきサービスの1つ
2位:doda | 転職者満足度No.1を獲得
転職エージェントと転職サイトの両方を提供しており、利用者の満足度が高いことが特徴
3位:マイナビエージェント | 20代からの信頼が厚い
20代からの支持率が高く、転職が初めての人でも安心して任せられる
内容のまとめ
- マーケティングの仕事に資格が不要な理由
- マーケティングの仕事は資格がなくても始められるから
- 実務を通じてでしか血肉となるスキルは身につかないから
- インプットは資格取得ではなく、本やWebサイトから十分にできるから
- マーケティングの就職・転職で見られること
- 採用には未経験者採用枠と経験者採用枠の2つがある
- 未経験者採用枠の場合は、マーケティングのスキルや経験は見られず、現職での実績や価値観などを踏まえて将来的な成長ポテンシャルで評価される
- 経験者採用枠の場合は、マーケターとしての実務経験や成果を見られる。売上や利益などビジネス成果で語れる実績があると強くアピールができる
- 資格以外でマーケティングを身につける方法
- 今すぐ未経験者枠でマーケティング転職をする
- 自分で商品を売って稼ぐ経験をする
- マーケティング職への就職・転職でやるべきこと
- 前提:今の仕事で成果(実績)を出す
- 転職サイト・転職エージェントに登録する