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Webマーケターはウェブサイト、SNS、広告、メールなどオンラインチャネルを活用してマーケティング(プロモーション)を行う職業です。担当する事業やサービスの売上拡大や集客拡大を目的として、Webマーケティング施策の立案から実行までを担います。
企業活動にデジタル要素を取り入れることは不可欠な時代になっており、多くの企業がWebマーケターを求めています。
一方で、Webマーケターの仕事に興味があるけれど、まだいまいち具体的なイメージが持てていないという人もいるでしょう。
本記事では、Webマーケターの仕事内容、必要なスキル、向いてる人の特性、勉強方法、未経験からWebマーケターになる方法、などWebマーケターの仕事やキャリアに興味がある人にとって必要な全知識を項目ごとにまとめています。
マーケティング初心者の方でも理解できるように内容もできるだけ噛み砕いて説明し、読み終わればWebマーケターの全体像がイメージできるようになっているので、ぜひ最後まで読み進めて見てください。
目次
Webマーケターとは
Webマーケターとは、Webマーケティングの仕事を担う人です。マーケティングの中でも、インターネット上でのマーケティングは比較的新しい仕事です。
Webマーケターのことについてあれこれ話していく前に、まずWebマーケティングとは何かを理解する必要があるでしょう。
そもそもWebマーケティングとは
Webマーケティングはインターネット上で行う商品やサービスの販促活動のことです。インターネット上にWebサイトを開設して、顧客を集め、商品を販売するまでの一連の流れを指します。
では、マーケティング全体像におけるWebマーケティングの立ち位置を見ていきましょう。
マーケティングの管掌領域を理解するのに役立つのがマーケティングの4P(読み:ヨンピー)と呼ばれるフレームワークです。4Pは下記4つのワードの頭文字を取った造語です。
- Product(商品)
- Price(価格)
- Place(流通)
- Promotion(販促)
つまりマーケティングとは、4Pのどこに経営資源である人的リソース、物的リソース、金銭的リソースを割り当てていくか意思決定をすることと言い換えることができます。
そして、Webマーケティングは4PにおけるPromotion(販促)に該当します。さらに、Promotion(販促)の中にはデジタルの施策や、テレビCM・交通広告のようなオフライン施策があります。
このうち、デジタルに特化した施策がWebマーケティングです。
インターネットが浸透したことで、多くの企業がWebマーケティングを活用してビジネスを展開するようになりました。
企業にとってWebマーケティングを活用するメリットとして下記が挙げられます。
- 低コストで始められる
- 全世界に向けてプロモーションできる
- 仮説検証のスピードが速い
- 細かくターゲティングができる
中でも「低コストで始められる」ことは革新的です。インターネットが登場する以前はテレビやラジオなどのマス媒体が中心で、大きな予算が必要でした。
しかし、Web広告なら1円から始めることができます。大企業だけでなく中小企業や個人ですらも広告アカウントを作って広告を出すことができるようになったのです。
このように、Webマーケティングは誰でもチャレンジできるからこそ、Webマーケターという職業が誕生して多くの企業で求められるようになりました。
下記の記事でより詳細にWebマーケティングとは何か?を解説しているので気になる方はぜひご覧ください。
Webマーケター就任1日目に読むべき「Webマーケティングとは何か?」広告代理店と事業会社
Webマーケターとして仕事をしていく上で、企業選びの軸が2つあります。それが、「広告代理店」で働くか「事業会社」で働くかです。どちらの業態で働くかでWebマーケターとして身につくスキルやその後のキャリアも変わってきます。
ここから広告代理店と事業会社のそれぞれの特徴や働くことで身につくスキル・経験を簡単に解説します。
広告代理店は、クライアント企業の広告活動を代理で行う企業のことです。テレビCMやラジオ、雑誌、Webメディアなど様々な広告媒体への掲載をサポートすることで、手数料を取るビジネスモデルになっています。
代表的な企業は総合広告代理店と呼ばれる電通や博報堂で、ネット専業の広告代理店だとサイバーエージェントが最大手です。
総合広告代理店の中にもデジタル広告を扱う部署やデジタル広告を扱う子会社がありますが、確実にWebマーケターの仕事がしたい場合はネット専業の広告代理店を選んだ方がいいでしょう。
広告代理店で働くことのメリット・デメリットは下記です。
メリット
- 幅広い業界・業種の知識が身につく
- 特定領域(SEO、広告、PRなど)における高い専門性が身につく
デメリット
- 事業全体を俯瞰するスキルや経験は得にくい
- 特定の領域において高い専門性は身につくが、スキルの幅は狭い
事業会社は自社の商品やサービスを持つ企業のことを指します。事業会社のマーケターは自社の商品やサービスの認知を拡大して、集客・販売に繋げることがミッションです。
自分で考えたアイデアが採用されることも多く、もしそのアイデアがヒットすれば大きな達成感ややりがいを得られます。商品企画からプロモーションまでを一気通貫でできるのが事業会社で働く魅力です。
広告代理店とは異なり、一度その会社に就職すると同じ商品・サービスのマーケティングを担当することになるため、自分がその商品に共感していることが重要です。世の中に広めたいと思える商品でないと仕事に熱が入らず成果も出づらいでしょう。
また、事業会社のマーケターとして働くと、事業を運営して利益を出すとはどういうことなのかを実地で学ぶことができるため、将来事業家になりたい方に向いています。
事業会社で働くことのメリット・デメリットは下記になります。
メリット
- マーケティングの4P領域全てに関わることができる
- 自分で考えたアイデアをそのまま実行に移すことができる
- 広告に限らずマーケティングに関する幅広いスキルが身につく
デメリット
- 特定領域におけるマーケティングの専門性は代理店と比べると身につきづらい
- 施策を進める上で他部署を絡めた調整業務が多い
コンサルタントとの違い
マーケターと似た職業にコンサルタントが挙げられます。どちらも戦略を練ってプランを実行していくというイメージがありますよね。
しかし、この2つの職業は明確に異なります。就職してから「思っていたのと違う!」とならないよう、違いを理解して自分の目指したいキャリアを選択することが重要です。
今からマーケターとコンサルタントの違いについてそれぞれ解説していきます。
まずマーケターは、ここまで説明してきた内容と被る部分もありますが、売上・利益を創出することがミッションです。このミッションを達成するために、ユーザーが求める商品を開発したり、認知してもらうためにプロモーションを企画します。
マーケターはマーケット(市場)に向き合って仕事をしていると言えます。市場の流れやユーザーのニーズを汲み取って、誰かの課題を解決していくのがマーケターです。
課題を解決した対価としてユーザー(個人・法人問わず)からお金をいただきます。
一方でコンサルタントは、企業の経営者や担当者が抱える課題をヒアリングして、それを解決できるプランを提案したりアドバイスする人です。アドバイスに止まらず、実行支援までを一貫してサポートするケースも多いです。
依頼主がいてはじめてビジネスが成り立つクライアントワークです。
クライアントから仕事を受注すると、社内で複数の社員を集めてプロジェクトを編成してクライアントの対応に当たります。一定期間を経てプロジェクトが終了するとチームは解散し、また別のプロジェクトに参画します。
この繰り返しがコンサルタントの仕事になります。
コンサルタントが解決しているのはクライアントの課題です。よって、クライアントに向き合って仕事をしていると言えます。
マーケットやユーザーの方を向いて仕事をするマーケターと、クライアントの方を向いて仕事をするコンサルタントでは全く性質の異なる仕事であることが理解いただけたのではないでしょうか。
どちらが良い悪いという話ではありません。この違いを理解して、自分が歩みたいキャリアややりたい仕事を見極めることが大事です。
ややこしいのがマーケターとコンサルタントを統合した「マーケティングコンサルタント」という職種も存在する点です。
マーケティングコンサルタントはクライアントに対してマーケティングのアドバイスや実行支援を行う人を指します。当然ながら、実務を行うためにはマーケティングのスキルや経験が必要になります。
マーケティングという肩書きがついていますが、本質的にはクライアントから報酬を得るコンサルタントです。広告代理店もマーケティングコンサルタントとやっていることは近いですね。
下記の記事でマーケターとコンサルタントの違いを詳しく解説しているので、気になる方はぜひご覧ください。
マーケターとコンサルタントの違いは何?現役マーケターが簡潔に解説しますWebマーケターの仕事内容
次にWebマーケターの仕事内容について解説していきます。
Webマーケターの仕事はネット上でプロモーションを行い、商品の購入や成約に繋げることだと説明してきました。この目的を達成するために、大きなカテゴリーに分けると下記の3つを行うのがWebマーケターの仕事になります。
- Webサイト企画
- サイトに集客
- 転換率を上げる
各項目を掘り下げていきます。
Webサイト企画
まず1つ目はWebサイトの企画です。Web上で集客を行うには、まず最初にWebサイトを作らなければいけません。特に、商品の販売に特化したWebサイトのことをランディングページ(通称:LP)と呼びます。
一般的なホームページと比較した時の、LPの特徴は下記です。
- 1ページ完結のレイアウトなので他ページへの離脱が起きない
- デザインが派手で見た目の印象が強い
- ユーザーに促したい行動が明確(問い合わせ、など)
LPはインターネット上のセールスマンと考えてもらうと理解しやすいです。広告の遷移先ページとして用意することが多く、ターゲットや訴求に応じて何個も作っていきます。
LPのどこにどんな情報を配置するかをテキストで設計したものをワイヤーフレームと言います。デザイン制作・コーディングについてはデザイナーやエンジニアの仕事になりますが、ワイヤーフレームの制作はWebマーケターの仕事です。
そして、LPを制作する上で最も重要な工程がこのワイヤーフレームの制作になります。ユーザーが抱えている課題を明確にして、「この商品が欲しい!」と思わせるようなライティングを行います。
サイトに集客
Webマーケターの仕事、2つ目はサイトへの集客です。
WebサイトやLPができたら、サイトへの集客を行っていきます。サイトへ集客する方法も多様化してきていますが、大別すると有料の手段と無料の手段に分けられます。
有料の手段は広告です。お金を払えば確実にサイトへ集客ができます。無料の手段はSNSの運用やブログ運営、口コミなど、即効性はないですが長期的に集客増加を期待できます。
ここでは、代表的な下記4つの集客方法について解説していきます。
- Web広告
- SNSの運用
- ブログ運営(SEO)
- 口コミ
Web広告はインターネット上で広告を配信してサイトに集客をする施策です。一般的に「広告運用」と呼ばれており、Webマーケターの代表的な仕事の一つです。
代表的なWeb広告の種類は下記の4つです。
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- 動画広告
- アフィリエイト広告
リスティング広告
リスティング広告は検索エンジンの検索結果画面の上部に表示することができる広告のことです。検索キーワードによって広告を出し分けることから「検索連動型広告」と呼ばれることもあります。
媒体はGoogle、Yahoo!などがありますが、検索エンジンのシェアはGoogleが圧倒的であるため、リスティング広告と言えばGoogleを指すことが多いです。
検索エンジンは調べ物をするために使われるため、ユーザーの課題が顕在化していることが特徴です。例えば、「○○ 比較」や「○○ おすすめ」と検索するようなユーザーは商品の購買意欲が高い状態にあるため、広告を出すことで商品の購入に繋がりやすいです。
ユーザーのニーズに対してドンピシャに広告を出せることから、まず最初にリスティング広告から取り組む企業は多いです。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は正方形や長方形の画像として表示できる広告のことです。
ネットサーフィンをしていて、ディスプレイ広告を見かけたことがない人はいないでしょう。例えば、Webサイトを見ている時に、サイトの右側に正方形の広告が表示されたり、記事を読んでいる時に横長の広告が表示されます。
それくらい日常に溶け込んでいるのがディスプレイ広告です。
また、SNSでもディスプレイ広告を出すことができます。Facebookのタイムラインに表示したり、LINEのニュースフィード画面に表示するといった具合です。
リスティング広告と違って、ディスプレイ広告はユーザーの意図していないところで表示されます。そのため、広告のクリック率は低くなりますが、商品やサービスを知ってもらうきっかけを生み出すことができます。
ディスプレイ広告を出すことができる主要な媒体は下記です。
・Facebook
・Instagram
・LINE
・YouTube
・Google
・Yahoo!
・スマートニュース
・グノシー
動画広告
動画広告は文字通り、動画を流す広告です。テレビCMのデジタル版ということで、「WebCM」と呼ばれることもあり、5Gが普及するにつれてますます増えていくと言われています。
代表的な動画広告と言えば、YouTube広告です。YouTubeを見ている最中に15秒から30秒程の広告が流れた経験は誰しもあるでしょう。
その他にも最近ではTikTok広告やInstagramのストーリーズ広告など、動画広告のシェアが拡大しています。ディスプレイ広告よりも視覚的に訴えることができるため、広告を見たユーザーの興味を惹きつけやすいという特徴があります。
SNSを始めとして、ディスプレイ広告を出せる媒体にはだいたい動画広告も出せるようになっています。
下記、動画広告を出せる主要な媒体です。
・Facebook
・Instagram
・LINE
・YouTube
・TikTok
・スマートニュース
・グノシー
アフィリエイト広告
アフィリエイト広告は、別名「成果報酬型広告」と呼ばれており、成果が発生して初めて広告費が発生します。ディスプレイ広告や動画広告は、広告の露出回数やクリック数に応じて広告費が発生するため、その後商品の購入に繋がらなければ採算が合わなくなります。
しかし、アフィリエイト広告は採算が合わないリスクを回避できます。商品の購入に至って初めて広告費が発生するからです。
ブログやWebサイト等でアフィリエイトを実施してくれる人を「アフィリエイター」と呼び、記事内にテキストや画像のリンクを設置して広告を出してくれます。
アフィリエイト広告を実施するにはASP(読み:エーエスピー)と呼ばれる、広告主(企業)とアフィリエイターを繋げる仲介サービスに登録する必要があります。
代表的なASPが下記です。
- A8.net
- バリューコマース
- afb
- アクセストレード
- もしもアフィリエイト
アフィリエイト広告の全体像を下記の画像で説明しているのでご覧ください。
以上が代表的な4つのWeb広告になります。
Web広告を始めるとなった時、基本的にはこの4つのいずれかから開始することになるでしょう。目的や予算に応じてどのWeb広告を出すか選定していきます。
集客方法の2つ目であるSNS運用は、Twitter、Facebook、Instagram、YouTube等でアカウントを立ち上げて運用する施策です。フォロワーやチャンネル登録者数が増えれば、無料で多くのユーザーにリーチできるのが最大のメリットです。
一番手っ取り早くサイトに集客する方法は1つ目に解説した広告を出すことですが、コストがかかり続けます。しかし、もしあなたが100万登録のYouTubeアカウントを持っていれば、商品の告知をすることで無料であなたのビジネスに繋げることができます。
広告費を削減して、利益率を改善できるのです。
一方で、アカウントの育成には時間がかかるのがデメリットです。頑張って施策を実施してもフォロワー数が増えるかは分からないので、不確実性も高いと言えます。
このメリット・デメリットを考慮した上でSNS運用を行うことが大切です。
SNS運用を始めたい場合は、目的に応じて使うSNSを使い分けた方がいいでしょう。例えば、拡散を狙いたいのであればTwitterを運用すべきですし、濃いファンを獲得して顧客育成をしたいのであれば長い動画で訴求できるYouTubeが効果的です。
運用に向いているSNSは下記の6つです。
・Facebook
・Instagram
・Twitter
・YouTube
・Pinterest
・TikTok
3つ目はブログやWebメディアを立ち上げて集客をする施策です。ユーザーをどこから集客するかと言うとカッコ内にも記載しているSEO(読み:エスイーオー)になります。
SEOはSearch Engine Optimization
の頭文字を取った略称で「検索エンジン最適化」を意味します。つまり、コンテンツを検索結果で上位表示させてユーザーの獲得を目指すということです。
SEOは広告運用と並んでWebマーケターに求められる代表的なスキルの一つです。SEO支援を専門にする会社も山ほどあります。
SNS運用と同様に、ブログ記事が検索結果の上位に表示されれば、無料でユーザーを集客できるのがメリットです。
例えば、私は月間数百万PVのメディアに関わった経験がありますが、無料(実際はサーバー代や人件費はかかっていますが広告費を使わないという意味で無料)で毎月百万単位のユーザーに商品を認知させることができます。
これはとてつもなく強力なメリットであることが理解いただけると思います。
メリットがあれば当然デメリットもあります。それは、Googleの検索エンジンのルールに依存するということです。昨日まではコンテンツの網羅性が評価されていたのに、今日からは誰が記事を書いているかを重視するようになったといった「評価基準の変化」が日常的に起こります。
評価基準が変わると、昨日まで上位表示されていた記事が突然2ページ目以降に急落する可能性があります。このように、Googleの気まぐれによって急にアクセス数が変化する不安定な施策がSEOなのです。
また、最近では企業の参入が増えたり、SEOに精通するプロが増えたことでますます上位表示が困難になっています。
4つ目の口コミは商品やサービスの良い噂を第三者に広めてもらう施策です。マスメディアが中心の時代ではメディアからユーザーへの一方的なコミュニケーションで済みましたが、デジタル中心の現代ではそうはいきません。
多くの人は購入の意思決定において第三者の口コミを重要視するようになりました。
口コミを良くするためには商品・サービスの品質を高めることは大前提必要ですが、Webマーケターが口コミが増えるように働きかけることが重要です。
ネット上で口コミを増やす手段として、下記のような場所があります。
- Twitterの口コミ
商品やサービスの口コミをTwitterで呟いてもらうことで、第三者への認知が広がります。 - MEO(Googleマップの最適化)
MEOとはMap Engine Optimization
の頭文字を取った略称で「マップエンジン最適化」という意味です。Googleマップ上に掲載される店舗情報に良い口コミを増やして上位表示されるようにする施策です。 - 食べログの口コミ
飲食店を運営している企業は食べログの口コミを増やしたり、評価を上げることで集客に繋がります。 - 大手旅行サイトの口コミ
ホテルを運営している企業は大手旅行サイト上の口コミを増やしたり、評価を上げることで集客に繋がります。
このように、自社が運営している商品やサービスが認知される経路を洗い出して、どこで口コミを起こせば集客につながるかを考えます。そして、口コミを増やすための企画を作って実行していくのがWebマーケターの役割です。
転換率を上げる
Webマーケターの仕事、3つ目は転換率を上げることです。
Webサイトに一定の集客ができるようになったら、最後に転換率を上げなければいけません。転換率とは、ユーザーがWebサイトに来訪してから成約に繋がる割合のことです。
Webマーケティング用語で成約のことをコンバージョン(通称:CV)と言い、転換率のことをコンバージョンレート(通称:CVR)と呼びます。
転換率(CVR)を上げることで、集客効率が上がります。さらに、広告でユーザーを獲得している場合は、成約あたりのコストを下げることができ利益率の改善にも繋がります。
このように、転換率はビジネスへの影響が大きいので、Webマーケターにとって重要な仕事なのです。
具体的に、転換率を上げるためのアクションとして大きく下記の3つがあります。
- サイト改善
- ナーチャリング
- フロント商材の開発
転換率を上げる1つ目の方法は、シンプルにWebサイトやLPの中身を改善していくことです。訴求内容を変えることで転換率の向上を目指します。
ユーザーはWebサイトに訪問すると、下記のような流れで購入に至ります。
Webサイトから購入フォームへ遷移する割合を示す「フォーム遷移率」と、フォームに来訪してから購入に至る割合を示す「フォーム完了率」の2つの数値を改善していきます。
サイト改善の具体的な施策例を示すと下記のような感じです。
- LPのユーザーに見られていない部分をカットした
- LP内にフォーム誘導ボタンを増やした
- ファーストビューの人物を一般人から著名人に変更した
- キャンペーンを開催して割引を実施した
- フォームの項目の数を減らした
Webサイトのテキストやバナーを最適化するためにパターンAとパターンBを比較することをABテストと言います。2つのバージョンを同じ頻度で出し分けて、どちらがより成果が出るのかを定量的に判断することができます。
サイト改善をする際は、ABテストを高頻度で実施して良かったものを残していくというやり方を取ります。そうすることで、少しずつサイトが良くなっていき、転換率の改善につながるのです。
転換率を上げる2つ目の方法はナーチャリングです。ナーチャリングは顧客育成という意味で、現時点では購入には至らないが、メールマガジン等でユーザーの購買意欲を向上させて最終的に購入に繋げるという施策です。
ナーチャリングを実施するためには、ユーザーの連絡情報(メールアドレスやLINEアカウント情報など)を入手する必要があります。
購入に至っていないユーザーの情報をWebマーケティング用語で「リード」と呼ぶため、ナーチャリングは別名「リードナーチャリング」と呼ばれることもあります。
ナーチャリングは、個人向けの高単価商材やBtoB向けサービスのような購入までの検討期間が長い商材に適しています。ユーザーは購入に至るまで様々な悩みを抱えているため、継続的にアプローチをして課題解決(= 育成)をする必要があります。
代表的な施策はメールマガジンでしょう。商品を購入するメリットやセール情報などを定期的に送り、興味を持ってもらったタイミングで購入へと繋げるのです。
その他にも下記のような施策があります。
- シナリオメール
- LINEステップ配信
- 架電、テレアポ
- プッシュ通知
- リターゲティング広告
転換率を上げる3つ目の方法はフロント商材の開発です。フロント商材とは、本命商品を販売する前に提供する商品のことで、本命商品のことをフロント商材の逆でバックエンド商材と呼びます。
いきなり本命商品を購入してもらうのはハードルが高いため、お試し商品や価格の安い商品を提供してまずはユーザーとの接点を作るのが目的です。
フロント商材の具体例を示すと下記になります。
サービス | フロント商材 | バックエンド商材 |
---|---|---|
英会話スクール | 無料体験 | 有料レッスンの受講 |
化粧品 | お試しセット | 定期購入 |
住宅メーカー | 無料展示会 | 住宅販売 |
食堂 | 100円のコロッケ | 定食メニューの販売 |
居酒屋 | ワンコインランチ | 夜の居酒屋メニューの販売 |
バックエンド商材を販売する前に、必要に応じてフロント商材を企画してフロント商材の販売を促進します。
以上が、Webマーケターの仕事内容です。
Webマーケティングの仕事内容については下記の記事で施策内容まで具体的に解説しているので、興味がある方はぜひご覧ください。
【完全版】Webマーケティングの仕事内容を徹底解説【施策一覧も公開】よくある1日のスケジュール
仕事内容が分かったところで、マーケターが具体的にどのようなスケジュールで仕事を進めているのかをご紹介します。
いちメンバーとして仕事をする際の、とある1日のスケジュールが下記です。
9:30 | 出社・メールの確認 |
10:00 | 前日の数値チェック |
10:30 | 朝のチームミーティング |
11:00 | 企画書の作成 |
12:00 | ランチ |
13:00 | チーム内のブレスト会議 |
14:00 | 企画書の作成 |
16:00 | メルマガの文章作成 |
17:00 | 代理店とのMTG |
19:00 | 業務終了・退社 |
社内・社外含めてMTGが複数個ありますが、それ以外の時間帯は企画書の作成やメルマガの作成など、文章を書く時間が多いです。
Webマーケティングは施策の結果が即時に数値として跳ね返ってきます。そのため、施策の結果を受けてすぐに次の施策を企画していかなければいけません。そうやってスピード感を持って連続的に改善ができるのがWebマーケティングの強みです。
下記の記事では、マーケティングマネージャーの1日のスケジュールも解説しています。また、より細かい業務内容についても触れているので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
マーケティングの仕事って何するの?現役マーケターが1日のスケジュールを公開しますWebマーケターに必要なスキル
仕事内容について理解できたところで、次はWebマーケターとして仕事をしていくために必要なスキルを解説していきます。
スキルはソフトスキルとハードスキルに分けて見ていきましょう。
ソフトスキル
ソフトスキルとは個人の習慣や特性に関連するスキルのことです。
Webマーケターとして仕事をする上で欠かせないソフトスキルは下記の4つです。
- 論理的思考力
- 仮説構築力
- コミュニケーション力
- リーダーシップ
論理的思考力は、物事を体系的に整理して矛盾のない道筋を立てる思考法です。
論理的思考力はWebマーケターでなくてもビジネスマンであれば多くの仕事において必要なスキルです。
例えば、下記のような問いに応えられていれば論理的に考えられていると言えるでしょう。
- 選択肢が網羅されているか?
- 因果関係が成立しているか?
- 事実と解釈を分けて考えられているか?
論理的思考ができているかは文章を見れば一目瞭然です。文章にはその人の思考がそのままアウトプットされているからです。
論理的思考力を鍛えるための最良の方法は上司への提案数を最大化することだと思います。上司へ提案をすると、否応でもフィードバックを受けられます。フィードバックを受けて改善を積み重ねていくことが成長の糧となります。
- 上司に一発でOKと言わせる提案書を作る能力
- 論点が明確になっているMTGアジェンダを作る能力
- 相手を納得させるプレゼン資料を作る能力
課題を解決する能力はWebマーケターに必要です。
なぜなら、マーケターの本質的な仕事は顧客の課題を解決することだからです。そこに答えはなく、当然ながらマニュアルもありません。
例えば、広告クリエイティブを作る場合を考えてみましょう。顧客のインサイトを理解して本質的に抱えている悩みを特定し、その悩みに寄り添ったり、解決できるという訴求を作っていきます。
このように、自分で課題を捉えて解決策を実行していくアプローチが必要になります。
課題解決力を養うのに役立つ本が「イシューから始めよ」です。元マッキンゼーで過去にYahoo!のCSOを務められた安宅氏によって書かれた名著中の名著です。
本書で定義されているイシューとは「本当に解くべき課題」のことで、良いイシューであればあるほど取り組むべき優先順位が高いということになります。
また、本書で述べられている良いイシューを見極める3つのポイントが下記です。
- 本質的な選択肢であること
- 深い仮説があること
- 答えを出せること
課題解決力を磨きたい方はぜひ一度手にとってみてください。
イシューからはじめよ──知的生産の「シンプルな本質」
「イシュー」とは、「2つ以上の集団の間で決着のついていない問題」であり「根本に関わる、もしくは白黒がはっきりしていない問題」の両方の条件を満たすもの。
www.amazon.co.jp
「人と関わるのが苦手だからWebマーケターを目指そう」もしこう考えている方がいればそれは間違っています。Webマーケターこそコミュニケーション力が欠かせません。
次のリーダーシップスキルにも関連してきますが、Webマーケターはプロジェクトを進捗させるために多くの人を巻き込まなければいけないからです。
また、企画を立てるためには顧客の声を聞いて、チームメンバーとディスカッションをして、上司に提案をしなければいけません。常にコミュニケーションの連続なのです。
一部の業務を外注している場合は、外注先の代理店や制作会社とのコミュニケーションも必要になります。
もちろん黙々と作業をする時間帯もありますが、コミュニケーションが少ない仕事かと言われるとむしろその逆だということを覚えておいてください。
- 相手の話を聞く能力(顧客へのインタビュー、チームメンバーの意見など)
- 自分の意見を伝える能力
- 積極的に企画を提案する能力
リーダーシップも欠かせないソフトスキルです。Webマーケターはパソコンに張り付いて作業をしているイメージがある方もいるかもしれません。
確かにその側面はあります。駆け出しの頃は、目の前の業務を遂行することに精一杯なのでリーダーシップを発揮する場面は多くないかもしれません。
しかし、マーケターとしてステップアップしていくためには、リーダーシップが必要です。企業でプロジェクトを推進していく場合、マーケターが中心となることが多いからです。
先ほども説明したとおり、マーケターが立案した企画を実行するためには、多くの部署の人員を巻き込まなければいけません。カスタマーサポート、財務、法務、オペレーション部署などと共同してプロジェクトを率いていきます。
このような場面でリーダーシップを発揮するためには、口頭・テキストの両方で実現したいことを相手に伝える力が必要です。
- ビジョンを語る能力
- 分かりやすい文章を書く能力
- 大勢の意見を集約して意思決定する能力
以上がWebマーケターに必要な4つのソフトスキルです。
次はハードスキルについて見ていきましょう。
ハードスキル
ハードスキルは、学習することによって習得できる技術的な知識のことです。
Webマーケターに必要なハードスキルは下記の5つです。
- Webサイト制作
- データ分析
- Web広告運用
- SEO
- セールスライティング
全て身につけられれば施策の幅が広がりますが、いくつかの専門性を高めていくのでも十分に活躍できます。特に、Web広告運用とSEOは多くの会社が必要とするハードスキルです。
一つずつ具体的に見ていきましょう。
Webサイトはインターネット上に構えるお店のような役割を持ちます。そのため、Webマーケティングを実施する上で欠かすことはできません。
Webサイト制作の大まかな工程は下記の3つです。
- ワイヤーフレームの作成
- デザイン制作
- コーディング
特に、Webマーケターにとって大事なのがWebサイトの設計書となるワイヤーフレームの作成です。Webサイトのゴール(商品の購入や問い合わせなど)を達成できるように、サイトのどこにどのような情報を配置するかをテキストで可視化します。
デザイン制作やコーディングは、デザイナーやエンジニアが担うと思いますが、Webマーケターにも基礎的なデザイン・コーディングの知識があれば仕事をスムーズに進められます。
また、Webサイトやブログを制作する際の定番ツールとして「WordPress」が有名です。WordPressを使えば比較的簡単にWebサイトを制作することができるため、多くの企業が活用しています。
優先度が高いのはワイヤーフレームの作成とHTML・CSSの基礎知識で、その次はWordPressの使い方を身につけるのがおすすめです。
- ワイヤーフレームの作成
- コーディングの基礎知識(HTML / CSS)
- デザインの基礎知識(Webサイトの見た目を作るのに必要なスキル)
- WordPress(Webサイト制作を簡単にしてくれる定番ツール)
- サーバー・ドメイン(Webサイトをネット上に公開するのに必要な知識)
2つ目のデータ分析は、集客や売上に繋がる施策を企画するために必要なスキルです。また、実施した施策の効果があったのか否かを検証するためにもアクセス解析のスキルが必要です。
具体的にデータ分析する対象としては、下記の2つになります。
- Webサイト
- データベース
Webサイト
Webサイト分析の場合、どの集客チャネルからWebサイトへ流入が来ているか、Webサイトにユーザーが来訪してからコンバージョンに至る割合はどれくらいか、といったことを分析します。
分析に使う代表的なツールは下記の2つです。
- Googleアナリティクス
- Googleサーチコンソール
この2つは最低限使いこなせた方がいいです。
データベース
一方で、データベースにはユーザーの購買データや商品の在庫データなど、ビジネスに関わる様々なデータが格納されています。データベースから必要なデータを抽出して分析するためにはSQLというプログラミングスキルが必要です。
SQLを習得すると、データドリブンな意思決定ができて良質な企画を立てやすくなったり、施策の実行スピードが上がるなどWebマーケターにとってはメリットしかありません。
SQLは様々あるプログラミング言語と比較すると簡単で、ビジネス職でSQLを扱える人材になると周りと差をつけることができます。
- Googleアナリティクス
- Googleサーチコンソール
- プログラミング言語「SQL」
SQLも踏まえてマーケティング担当者が身につけるべきプログラミングスキルと勉強方法については、下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
3つ目のWeb広告運用はWebマーケターの代表的なスキルの一つです。正直、Web広告運用のスキルがあれば食いっぱぐれることはそうそうないのではないかと思います。
テレビCMなどのマス広告を出そうと思うと、広告代理店と調整をして1~2ヶ月かかったりするのですが、Web広告は広告管理画面と呼ばれる専用ツールを用いてその日のうちに広告を出し始めることができます。
広告の効果が管理画面にリアルタイムに反映されるため、数値を確認してすぐに広告の改善ができるのがWeb広告の強みです。
目標となる獲得単価を決めて、その単価内で獲得ができるように媒体選定をしたり、広告クリエイティブやターゲティングの改善を行います。
- リスティング広告
- SNS広告(Facebook / Instagram / YouTube / LINE / Twitter / TikTokなど)
- アフィリエイト広告
- 動画広告
4つ目のSEOは仕事内容のセクションでも解説したとおり、ブログやWebメディアを運営して狙った検索キーワードで上位表示する技術です。
SEOはWeb広告運用と並んでWebマーケターの代表的なハードスキルに該当します。
ブログやWebメディアにアクセスを集めることができれば、広告費を掛けずに商品やサービスを販売することができます。
主なSEOで求められるスキルは下記になります。
- 検索ユーザーのニーズを満たす良質な記事の作成
- キーワードの選定
- 内部施策(Webサイトの技術的最適化)
- 外部施策(被リンクの獲得)
SEOはGoogleの検索エンジンのルールに依存しているため、今のやり方が常に正しいとは限らず、情報をアップデートしていく必要があります。
また、ライター業務だけでなく、メディアの編集という立場も担うのであれば、SEOの知識だけでなく、ライターのマネジメントやメディアの運営体制を構築する能力も必要になります。
- メディアのコンセプト設計
- SEO対策
- ライターのマネジメント
- クリエイティブ(バナー、動画)の制作
- 広告のクリック率改善
5つ目のセールスライティングは商品を売るために欠かせないスキルです。
いくらユーザーを集めることができても、最後のセールストークで「商品が欲しい!」と思ってもらわなければ商品は売れません。
LP、メール、資料、広告などWebマーケティング施策のあらゆる場面においてセールスライティングが求められます。
具体的なセールスライティングテクニックの一例が下記になります。
- 商品の機能ではなく、使用後の姿を描写する
- 自分のストーリー(体験談)を語る
- ネガティブ(コンプレックス)訴求
- 商品に権威付を行い、信頼性を演出
- 保証をつける(全額返金など)
こういったセールスライティングのテクニックを身に付けながらも、最終的には自分でトライ&エラーを繰り返して感覚を養っていくことが重要です。
そのためには、何度もメールのタイトルを書いたり、広告文を作成したり、量をこなさなければいけません。
以上がWebマーケターに必要な5つのハードスキルです。
今回紹介したソフトスキル・ハードルスキル以外にも、さらに自分の市場価値を上げたい、他のマーケターと差をつけたいと考えている方が身につけるべき専門スキルTOP7を下記の記事で解説しています。
【資格は不要】マーケティングに必要な専門スキルTOP7【勉強方法も分かる】資格は必要なのか?
Webマーケターのスキルを習得するために、資格取得を検討する人がいます。
参考までに、Webマーケティング関連の資格には下記のようなものがあります。
- IMA(Internet Marketing Analyst)検定
- ネットマーケティング検定
- Google Analytics Individual Qualification
- ウェブ解析士
- Webアナリスト検定
しかし、事業会社でマーケティング責任者の仕事をしている私に言わせると、Webマーケターとして仕事をする上でこのような資格は不要です。これまで一緒に働いてきたマーケターの中にも資格を取得している人はいませんでした。
資格が不要である理由は下記の3つです。
- 資格がなくてもWebマーケターの仕事はできる
- 実務を通じてでしか血肉となるスキルは身につかない
- インプットは本やWebサイトで十分
スキルを身につける最大の理由はWebマーケティングの仕事で成果を上げるためです。そして、成果を上げることで自分に自信をつけるためでしょう。
しかし、資格取得は仕事の成果に直結するものではないのです。実務のマーケティングはさまざまな変数が存在し、不確実性の高い環境下で優先順位をつけて施策を実行していく必要があります。
答えがある資格取得とは違って、マーケティングの実務には答えがありません。資格取得の代わりに、実務に必要な知識を本やWebサイトでインプットするので十分です。
座学に時間をかけ過ぎるよりも、早い段階で実践の場に身を置くことをおすすめします。
下記の記事では、より詳細に資格が不要な理由を説明しています。また、マーケター転職で評価されるポイントや、資格以外でマーケティングスキルを身につける方法についても解説しています。
マーケティングの仕事に資格は「不要」です。その理由を現役マーケターがぶっちゃけますWebマーケターの年収
次は、気になる人が多いであろうWebマーケターの年収について解説していきます。Webマーケターだけに絞ると数が限定的であるため、ここではマーケティング職種全体の年収にフォーカスします。
転職サイトdodaの調査によると、マーケターの全年代平均年収は476万円です。
全職種の平均年収が409万円であることを考えると、マーケターの平均年収は相対的に高いと言えます。
マーケターの平均年収 | 全職種の平均年収 |
---|---|
476万円 | 409万円 |
また、下記はマーケティング職の平均年収と全職種平均年収を年代ごとで表したグラフです。
マーケターは全年代において年収水準が高い職種であることが分かります。また、年収の上がり幅も全職種と比べても大きく、特に40代から50代以上にかけて年収が大きく上昇しています。
これはマーケターから経営に近いポジションへと職種をシフトしているからだと推測できます。ほとんどの企業において新規顧客獲得は経営課題であるため、その課題を解決できるマーケターの需要は高く、将来的には経営に近いポジションとして活躍していくためです。
また、Webマーケターが年収を上げていく方法は下記の3つがあります。
- 年収水準の高い業界へ転職する
- マネジメント職へと昇進する
- 独立・起業する
考え方はとてもシンプルなので他の職種にも応用が効くものになります。
特に会社員として年収を上げていく上では、1つ目の「年収水準の高い業界へ転職する」という視点は常に持ち合わせておくべきです。残酷な真実ですが、年収は個人の能力以上にどの業界で働くかで決まるからです。
下記の記事では、マーケターとして働く上で年収水準が高い業界を具体的に解説しています。また、上で取り上げた年収を上げる3つの方法を掘り下げて説明しているので、ぜひ合わせてご覧ください。
Webマーケターのつらさ
マーケティングの仕事に対するよくある誤解の一つは、マーケティングの仕事はキラキラしていて楽しそうだというものです。もちろん、時には有名人を起用するなど一般的にダイナミックだと思われる仕事をすることもあります。
しかし、仕事の大半は地味で泥臭いです。
マーケティングの仕事が辛いと感じる理由には、このような世間の認識と実態の差分にあるのではないでしょうか。
だからこそ、マーケティングの仕事の実態を事前に理解した上で、その過程すらも楽しめそうだという方にチャレンジして欲しいと思います。
特にマーケターが辛い・きついと感じるのは下記です。
- 予算100%達成は当たり前
- ただし、予算未達はめちゃくちゃ詰められる
- 他部署からリスペクトされない
- 驚くほど施策を外す
マーケティングの仕事は新規顧客獲得や売上・利益を目標としている場合が多く、その結果が経営に大きく影響を与えます。よって、達成しているか否かは厳しく問われます。
また、マーケティングの仕事に答えはないため、常に仮説検証の連続になります。上手くいかなくてもいちいち落ち込まず、また次の仮説を立てて施策を実行していく忍耐力が求められます。
下記の記事では、マーケティングの仕事が辛いと感じてしまう理由を上記の4つに加えて合計8個解説しています。現役マーケターの筆者が実体験を交えて説明しているので、こちらもぜひご覧ください。
Webマーケターに向いてる人
あらゆる仕事には向き不向きがあります。当然、向いていない人がWebマーケティングの仕事を始めると、直前で話したように仕事が辛いと感じてしまう確率も高くなるのでしょう。
よって、仕事を選ぶときは、自分の得意なことを分析した上で、その得意が活かせる仕事を選ぶと幸福度も上がるのではないでしょうか。
筆者は過去に20名以上のWebマーケターと仕事をしてきた経験から、Webマーケティングの仕事を長く続けている人や成果を出している人には共通した傾向があると感じました。
「論理的思考力が高い」といったような小難しい話ではなく、誰もがイメージしやすい日常の特性に例えて説明したいと思います。
あくまで主観にはなりますが、Webマーケティングの仕事に向いている人の特性は下記の5つです。
- 幼少期に周りと比べてゲームが強かった
- これまでの人生でリーダー経験がある
- 気になることがあったら、とことん調べ尽くす
- 没頭して気づいたら夜を迎えたという経験がある
- 人から「器用だね」と言われたことがある
もし1つでも当てはまるものがあれば、Webマーケティングの仕事に向いている可能性があります。
もっとそれぞれの項目を掘り下げた内容が知りたいという方は、下記の記事で具体的に解説しているのでぜひご覧ください。
未経験からWebマーケターになる方法
ここまでで、Webマーケターの仕事やスキル、向いている人について説明してきて、自分もWebマーケターになりたいと思った方もいるかもしれません。
そんな方のために、次は未経験からWebマーケターになる方法について解説していきます。
具体的な方法として下記の4つを紹介します。
- 未経験OKの企業に就職・転職する
- 社内異動でWebマーケターになる
- ブログを立ち上げて収益化する
- SNSを運用して一定のフォロワーを獲得する
未経験からWebマーケターになる方法に関する詳細な解説は下記の記事にまとめているので、こちらも合わせて読んでみて下さい。
未経験からWebマーケターになるには?4つの方法を紹介【体験談あり】未経験OKの企業に就職・転職する
まず1つ目は、未経験OK企業への就・転職です。これが最も王道なやり方でしょう。
企業が出している求人情報には即戦力枠と未経験OK枠が存在するので、未経験OK枠を狙って転職活動を行います。未経験OK枠であれば、文字通りWebマーケターとしての仕事経験やスキルがなくても採用されるチャンスがあります。
未経験OK枠の転職では一時的に年収が下がる可能性がありますが、スキルや経験を身につければ徐々に年収は上がっていきます。
また、当然ながら即戦力枠の方が求人数は多いため、後ほど紹介する「ブログを立ち上げて収益化」や「SNSを運用して一定のフォロワーを獲得」することによって、アピールできる実績を作るという手もあります。
最初のアクションとして大手求人サイトであるリクナビNEXTとdodaに登録して、どんな求人があるかチェックして見ましょう。
その他にも、下記の記事ではWebマーケティング職に人気の転職エージェント・転職サイトを詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
社内異動でWebマーケターになる
2つ目は、今の会社にいながら社内移動でWebマーケティングの仕事を始める方法です。
もしこれができるなら、転職をせずに済むので理想と言えるでしょう。特に、今の会社の理念やビジョンに強く共感している場合などは、転職ではなく社内移動を実現した方がメリットが大きいです。
実は私もこの方法でマーケターに転身しており、それ以前は営業などの他の職種を経験しています。
しかし、社内異動は会社の都合が影響するため、本人の意向だけではどうにもならないこともあります。異動は無理だと思ったら、時間は有限なので転職活動を始めましょう。
異動が起こりやすい会社の特徴としては下記があげられます。
- 新規事業に積極的に取り組んでいる
- 会社が成長している
新しい事業に挑戦していると、当然ですが新しいポストが生まれます。新規事業のマーケティング担当が必要になった時が手を挙げるチャンスです。
また、会社が成長していると人手不足が起こります。人員を充足できれば売上が伸びるというケースではすぐにでも人員を補充したいので、社内から異動できる人材がいないかを探します。
ブログを立ち上げて収益化する
会社で経験を積む以外の方法として、個人でWebマーケティングをするという方法があります。具体的には、自分のブログやメディアを立ち上げて収益化しましょう。
収益化とはつまり自分の力で稼ぐということなので、最もマーケット感覚を身につけるのに適しています。ブログで収益化する過程において、下記のようなWebマーケターに必要なスキルが身に付きます。
- 検索エンジンとSEOの基本知識
- セールスライティング
- Web広告への基本的な理解(Googleアドセンス、アフィリエイト広告など)
- ネットビジネスへの基本的な理解
- ユーザーが求めるものを理解して、それを解決する力
まずは月に数万円の収益を得ることを目標にするといいでしょう。一筋縄ではいかず、どうすればアクセスを稼いでモノを売ることができるのかを考えなければいけません。
私はWebマーケターの採用も過去に担当していましたが、「Webマーケターになるために本を読んで勉強しています」という人よりも、「勉強のためにブログを立ち上げて収益を得ています」という人の方が話を聞いてみたいと思えます。
実際に行動に移して結果を出している人というのは魅力的に映るものです。
この経験があれば、完全未経験で転職活動を行うよりもいい条件でオファーを受けられる可能性が高くなるでしょう。
ブログを始めたい方は下記の記事でワードプレスの立ち上げ方を解説しているので、ぜひご覧ください。手順に沿って進めればブログを開始することができます。
【ConoHa WING】ワードプレスの始め方を初心者向けに解説SNSを運用して一定のフォロワーを獲得する
次も個人でWebマーケティングの経験を積む方法です。自分のSNSアカウントを運用して一定のフォロワーを獲得することで、Webマーケターと名乗るレベルに到達できます。
SNSはTwitter、Instagram、YouTube、TikTokなど何でも構いません。収益化まで見越すのであれば、InstagramかYouTubeがおすすめです。
SNSを通じてフォロワーを獲得する過程で下記のようなWebマーケターに必要なスキル・経験が身に付きます。
- Webコンテンツの企画・制作力
- SNSに対する深い理解
- ユーザーが求めているものを理解して、それを解決する力
個人の影響力が大きくなるにつれて、企業も広告費を個人(インフルエンサー)に使うようになっています。YouTuberやインスタグラマーが企業タイアップを頻繁に実施しているのを目にする機会も多いはずです。
一方で、企業内に企画ができる人材は不足しているので、自分でSNSを伸ばした経験がある人材は重宝されます。ブログと同様に、SNSで結果を出した後に転職活動をするとよりいい条件でオファーを受けられる可能性が高まるでしょう。
OWNDAYSやサイバーバズ(サイバーエージェントの子会社)のように、インフルエンサーをそのまま取り込むインフルエンサー採用を実施する企業も出てくるほどです。
Webマーケターのキャリアパス
次はWebマーケターのキャリアパスについて解説していきます。Webマーケターとして将来的にどのようなキャリアを歩むことができるのか気になる人も多いでしょう。
具体的なキャリアパスとして下記4つを紹介します。
- Webマーケターとして昇進・転職する
- CMOを目指す
- 独立・起業する
- 副業で収入を上げる
Webマーケターのキャリアパスについては下記の記事にもまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
Webマーケターのキャリアパスを解説!5年後の姿をイメージしようWebマーケターとして昇進・転職する
1つ目は、Webマーケターとして昇進・転職を重ねていくキャリアです。職種は変えずにプロのWebマーケターとして年収を高めていく考え方になります。
「Webマーケターの年収」のセクションでも解説したので繰り返しとなりますが、会社員が同職種において年収を上げていく方法は下記の2つしかありません。
- 年収水準の高い業界・企業に転職する
- 社内でマネージャーやマーケ責任者に昇進する
年収は企業が定めている給与テーブルによって決まるので、マーケティング職のトップがもらっている年収が基本的にはその企業の上限になります。
例えば、CMOが年収一千万円なのだとしたら、一千万円がその企業のマーケティング職の上限という訳です。二千万円、三千万円もらえるようにはなりません。
そして、給与水準は業界によって高い低いというのがある程度決まっています。利益を出せる構造を持っている業界の方が従業員に還元できる給与も多くなるという理由からです。
マーケターの場合は外資系IT、外資系メーカー、大手総合代理店は給与水準が高い業界になるでしょう。
転職を考えている業界や企業の年収水準を調べる方法として、口コミサイトを活用するのがおすすめです。
プレイヤーとしてだけでなく、マネジメントの仕事も担っていくことができれば年収を確実に高められるでしょう。多くの企業ではピラミッド型組織になっているので、上の役職にいけばいくほど給与が増えます。
一方で、プレイヤーとマネージャーでは求められる能力が全然変わってきます。ここが難しいところです。
具体的にはマネジメントで求められるスキルは下記です。
- 目標を設定して、メンバーに伝える力
- 目標の進捗を管理する力
- メンバーの実務遂行能力を高める力
- 事業成長を牽引する戦略を立案する力
マネジメント職の中でも上の役職にいくほど、これらの能力が必要な比重は高くなります。
WebマーケターとしてどれだけWeb広告運用やSEOの専門知識があったとしても、これらのマネジメントスキルがないと上の役職に立つことができません。
中には、マネジメントが苦手でしたくないという方もいるでしょう。そういった方が大きく収入を伸ばす選択肢として独立があります。独立をすれば自身が持っている専門知識を活かして個人で活躍することができます。
独立については、後ほど「独立・起業する」のセクションで解説するのでご覧ください。
CMOを目指す
2つ目はCMOを目指すキャリアです。
CMOとはChief Marketing Officerの略称で、最高マーケティング責任者という役職です。ただし、日本にはCMOという役職を採用する企業が少ないため、ここではマーケティング領域を管掌する経営者と理解してください。
また、経営者に限らず事業責任者やブランドマネージャーを目指すキャリアもここに含まれます。マーケティングだけでなく事業をマネジメントしていく人材になることです。
マーケターとしての実績がないのに、いきなり事業責任者やCMOになることはできません。最初はプレイヤーとして結果を出さなければこのキャリアを歩むことは難しいです。
一般的に事業会社で多いパターンは下記です。
Webマーケター
↓
マーケティング責任者
↓
事業責任者(CMO)
プレイヤーとして結果を出した後は、マネジメント経験を積み、最終的に事業全体を統括するというキャリアの歩み方です。
CMOについては下記の記事で、具体的な仕事内容や必要なスキルを解説しているので、気になる方はチェックしてみてください。
CMO(チーフマーケティングオフィサー)とはどんな仕事?役割や必要なスキルも解説独立・起業する
3つ目は独立・起業するキャリアです。フリーランスもここに含まれます。
独立は当然リスクもつきまとう選択肢です。しかし、Webマーケターは手に職をつけることができる職業であるため、比較的独立を視野に入れやすいです。
特に、Web広告とSEOは多くの企業が必要とするスキルであるため、独立する際はどちらかを身につけておくことをおすすめします。
私の知り合いにも、「Webマーケター(支援会社)→ Webマーケター(事業会社)→ 独立」というキャリアを辿って20代で年収1000万円を超えている人がいます。彼はWeb広告を専門として複数の案件を掛け持ちしながら仕事をしています。
このように、複数の案件に携わることで、サラリーマンの時よりも収入を上げることは珍しくありません。
- 会社に縛られずに働けるようになりたい
- サラリーマン時代よりも収入を上げたい
- 足元の収入を稼ぎながら、サービス立ち上げの準備をしたい
このように考えている方にはWebマーケターは良い選択肢の一つになると思います。
副業で収入を上げる
4つ目は副業で収入を上げるキャリアです。
メインのキャリアパスという訳ではありませんが、キャリアの幅を広げられるという意味では魅力的な選択肢になる人も多いはずです。
直前の独立の話でも説明したとおり、Webマーケターは手に職がつく職業であるため、個人で仕事ができます。そのため、平日の夜や土日の時間を使って副業の仕事を始める人も多いです。
Webマーケターの副業には下記のようなものがあります。
- Webマーケティングのコンサルティング
- Web広告運用の代行
- メディア運営の代行
- SNS運用の代行
これらは自分のスキルを売って稼ぐことから「スキル型」と呼ばれます。
一方で、自分が働かなくても収益を生む仕組みを作って稼ぐ方法を「ストック型」と言います。ストック型の副業はビジネスをゼロから作っていくことになるため、最初は効率が悪いですが将来的に大きく収益を生み出す可能性があります。
ストック型の副業には下記があります。
- 自分のブログを作って広告収益を得る
- SNSを運用して広告収益を得る
- ネット上でノウハウを販売する
スキル型にしてもストック型にしても、副業が軌道に乗ってきたら独立・起業にキャリアをシフトしていくことも可能です。これならリスクを抑えて独立へのチャレンジもできますね。
Webマーケティングの副業で稼ぐ具体的な方法については下記の記事で解説しているので、ぜひご覧ください。
未経験からWebマーケティングの副業で稼ぐ方法!種類、案件の取り方、始め方を解説Webマーケティングを勉強する方法
ここからはWebマーケティングを勉強する方法を解説していきます。
今回は、下記の3つに分類してWebマーケティングのスキルを習得する方法を見ていきます。
- 独学で学ぶ
- Webマーケティングスクールに通う
- ブログやSNSを立ち上げる
独学で学ぶ
Webマーケティングに興味を持ったら、まず最初に独学で勉強を始めてみる方は多いでしょう。最近はコンテンツが豊富にあるので、独学でも学習環境は充実しています。
具体的には下記の3つを紹介します。
- Webマーケティング本
- Webマーケティングのサイト
- Webマーケティング講座
どれか一つに絞ると言うよりは、複数の手段を使って学習を進めていくのが良いでしょう。
Webマーケティングの独学勉強法については下記の記事でもまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
Webマーケティングの独学勉強法を実践者が解説【転職・稼ぐ方法も分かる】本はいつの時代も王道の勉強手段です。Webマーケティングの全体像が理解できる本から、Web広告やSEOなど特定領域に特化した本まで様々あります。
初心者の方はまず全体像が理解できる一冊を読みましょう。
おすすめの入門書は下記です。
それ以降は、自分が興味のある分野の本を読み進めていくのがいいでしょう。
下記の記事でWebマーケティングを学ぶのにおすすめ本を分野別にまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
Webマーケティングを学ぶのにおすすめ本15冊!分野別に紹介しますマーケティングをテーマにしたサイトを使って勉強する方法もあります。
サイト学習は全体像を把握するのにはあまり向いていませんが、下記のような方にはおすすめできます。
- 特定の領域を詳しく学びたい方
- 実績がある個人や会社のノウハウを学びたい方
- 最新情報をキャッチアップしたい方
初心者から中級者向けにマーケティング情報を発信する当サイト「Z MARKETING」からも学んでいただけると嬉しいですが、世の中には素晴らしいメディアが多くあるため、いくつかのサイトを見ながら自分に合ったものを選ぶといいでしょう。
参考までに、Webマーケティングの各ジャンルと代表的なメディアは下記です。
Webマーケティング全般 | ferret(フェレット) |
Web広告 | アナグラムのブログ |
SEO・コンテンツマーケティング | バズ部 |
SNSマーケティング | Social Media Lab |
BtoBマーケティング | SAIRU NOTE |
この他にも下記の記事で国内のマーケティングメディアをジャンル別にまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。
Webマーケティングサイトよりもっと体系立てて学びたいという方は、Webマーケティングの講座を受けてみるのもおすすめです。
講座には無料のものから有料のものまで様々あります。
まずは無料の講座が下記になります。
- Webマーケティング講座 / ferret
Webマーケティングの概念からSEO、広告、アプリ、SNS、サイト改善など具体的なWebマーケティング施策についてテキストで学べる - Googleデジタルワークショップ オンラインコース
Googleが提供しているWebマーケティング講座で初心者の方におすすめの内容。ビジネスの成長やキャリアの向上にも役立つコンテンツも提供されている - Googleアナリティクスアカデミー
Googleが提供しているGoogleアナリティクスの活用方法が学べるオンライン講座。初心者向けから上級者向けまで難易度に応じて講座が提供されている
次に有料の講座が下記です。
- ジッセン!オンライン
デジタルマーケティング領域専門のeラーニングサービスで、約200講座を動画で学び放題。プレミアム会員の費用は月額5,390円(無料会員でも一部の動画が視聴できる) - Udemy デジタルマーケティングコース
Udemyは世界最大級のオンライン動画サービスで、自分の好みの講座で買い切り型で受講できるのが特徴 - デジハリONLINE Webマーケティング基礎講座
デジタルハリウッド大学が提供する動画授業形式のオンライン講座。約1ヶ月間の受講期間で料金は11,000円
有料講座の方がコンテンツの豊富さでは勝ります。自分が学びたい領域の講座を選んで学習を進めましょう。
以上がWebマーケティングを独学で勉強する方法です。
一方で、独学には下記のような問題点があります。
- 分からない時に聞くことができない
- 自分の理解が正しいのか確認することができない
- モチベーションが維持できない
このような方は、次に紹介するWebマーケティングスクールに通うことを選択肢に含めてみても良いでしょう。
Webマーケティングスクールに通う
Webマーケティングスクールは未経験からWebマーケターとして仕事ができるレベルに到達することができるスクールです。
2~3ヶ月でSEOもしくはWeb広告のスキルを重点的に学習するケースが多いです。
料金は20万円前後からという感じなので、決して安くはありません。本気で効率的にプロのWebマーケターを目指したいという方におすすめできる選択肢です。
また、受講後に仕事を始めたいという方は転職サポートまで付いているスクールを選びましょう。
おすすめのWebマーケティングスクールは下記の5つです。
スクール | 受講期間 | 受講場所 | 学習形式 | 料金(税込) | 公式サイト |
---|---|---|---|---|---|
1. マケキャンbyDMM.com |
3ヶ月 | オンライン完結 | 動画コンテンツ + オンライン授業(講義+グループワーク) | 入会金:¥33,000 受講料:¥657,800(転職コース)、¥385,000(学習コース) |
https://makecam.web-camp.io/ |
2. デジプロ |
2ヶ月(40時間) | ・教室(渋谷・大阪・福岡・広島・名古屋) ・オンライン |
動画コンテンツ + 少人数講義(2時間×8コマ) | 入会金:¥33,000 受講料:¥330,000(通学プラン)、¥385,000(オンラインプラン) |
https://degipro.com/ |
3. Wannabe Academy |
3ヶ月 + 4ヶ月間のサポート期間 | ・教室(表参道・長野) ・オンライン |
動画コンテンツ + 週1回のオンラインライブ授業 + 補講受け放題 | 入学金:¥66,000 授業料:¥264,000(※学生は¥198,000) |
https://shareway.jp/wannabe_web2/ |
4. テックアカデミー Webマーケティングコース |
4週間(160 ~ 200時間) ~ | オンライン完結 | オンライン学習教材 + 講師に質問 + 週2回パーソナルメンターと面談 | 授業料:¥174,900(※学生は¥163,900) ※4週間プランの場合 |
https://techacademy.jp/webmarketing-bootcamp |
5. WEBMARKS |
3ヶ月 + 9ヶ月の就職サポート | オンライン完結 | 動画コンテンツ + 週1回の課題添削サポート | 就職コース:¥498,000 フリーランス養成コース:¥498,000 就職+フリーランス両取りコース:¥598,000 |
https://webmarks.co.jp/marketing-school/ |
その他にも下記の記事では、目的・地域・特徴など様々な切り口でWebマーケティングスクールを比較しています。スクールを検討している方はぜひ参考にしてみてください。
2022年最新版!おすすめのWebマーケティングスクールを徹底比較【目的・地域・特徴別に紹介】ブログやSNSを立ち上げる
本やサイトで学んだり、スクールに通うのはあくまでもインプットです。インプットした知識を定着させるためにはアウトプットが不可欠です。
既に企業でWebマーケターとして働いているなら十分アウトプット環境が整っていますが、そうでない場合はブログやSNSを立ち上げるのがおすすめです。
「未経験からWebマーケターになる方法」でも解説しましたが、ブログやSNSは上手くいけば収益化することもできるため、もっと知識をつけようというモチベーションになります。
ブログを始めて見たい方は下記の記事で、ワードプレスブログの開設方法を解説しているのでぜひご覧ください。
【ConoHa WING】ワードプレスの始め方を初心者向けに解説Webマーケターの将来性
ここまでで、かなりWebマーケターの全体像が見えてきたと思います。
最後に、Webマーケターの将来性について言及していきます。今は良くても将来的にも需要がある職種なのかは気になるポイントですよね。
最初に結論からお伝えすると、Webマーケターの仕事はこの先もなくなることはありません。ただしこれには条件があります。
マーケティングの広義の仕事内容は企業の売上・利益を創出することであり、この目的を達成するために複雑な課題を読み解いて、解決策を実行していく力がある人は安泰です。
一方で、下記に該当するようなマーケティングの仕事はなくなる可能性は高いでしょう。
- クリエイティブの効果測定
- Web広告運用の最適化
- データの分析・レポーティング
機械では代替不可能な「考えること」ができなければ、それはAIに取って替わる人材だということです。事実、上で挙げたような仕事は既に機械に置き換わっていっています。
このような環境下で市場価値の高いマーケターになるために、具体的には下記のような行動を取ることをおすすめします。
- 自分の頭で考えて、積極的に考えを提案する
- 特定の領域に固執せずに、ビジネスを伸ばすことにコミットする
- 組織を率いて結果を出す経験を積む
最終的にはマーケティングの本質である顧客に価値を提供してビジネスを伸ばすことができるか、という部分に帰結すると思います。小手先のテクニックではなく、これができる人が市場価値の高い人材なのです。
下記の記事では、マーケティングの仕事のどの部分がAIに置き換わって、どの部分が置き替わらないのかをもう少し具体的に解説しています。将来性が気になる方はぜひ合わせてご覧ください。
内容のまとめ
Webマーケターの全体像について、網羅的にまとめてきました。
かなり内容が盛りだくさんだったと思うので、1回で全てを理解しきるのは難しいかと思います。ぜひブックマークをしてWebマーケター関連で何か困った時に確認するような記事にしてもらえると嬉しいです。
本記事を読んで、Webマーケターを目指したいと思った方は、Webマーケティング本を読むでもOK、転職サイトにまず登録してみるでもOKなので、まずは小さな行動を起こしましょう。
行動を重ねていくことで、本記事の内容がより深く理解できるようになると思います。